* 君の笑顔は花みたいだ *












「へい兄ちゃん、年いくつ」


まるでナンパみたいな声の掛け方でその人物は姿を現した。
お待たせ、よりそれが先かい?英二。


「まだ6歳…って答えればいい?」

「違うそうじゃない」

「じゃあ…『逆に、私何歳に見える?』とか?」

「それおもろいね」


アッハハ、と口を大きく開けてひとしきり笑い終えたあとで、
英二は途端に真顔になった。
こうやってコロコロ表情が変わるところ、昔から変わらないや。


「じゃなくて!今年で何歳になったんだっけ」


聞かれて、改めて考えた。
もう、考えないと自分の年もわからないような年齢になってきたのだなと感じる。


「27」

「………やばくない?」

「やばくない、って。英二も同じでしょ」

「や、そのことに改めて気付いたらやばいなって」


27かぁ〜アラサーじゃん!
とか言いながら額に手を当てる。

話しながら、どちらともなく歩き出す。
行き先は、いつもの居酒屋か。
この様子だと特にサプライズもなさそうだ。


「長いね、俺たちも」

「ね!初めて会ったとき12歳とかでしょ?」


あれから15年なんて信じらんないなー、
と英二は口にする。

「でも」、と言いながら英二は身を乗り出して顔を覗き込んできた。


「不二は変わらないね」


歯を見せて笑うその表情。
いつも通り、なのに、
ふと懐かしくも感じた。
昔の話なんてしたからかな。


「英二もね」

「うっそだーオレだいぶ大人になったぜ?」

「そういうとこ」

「あー、そっか」


そんな冗談言って、笑い合う。
いつになってもこの空間は心地好い。
ずっと続いているこの関係に感謝する。


すると英二は

「あ」

と足を止めて、今度は少し困り眉になった。


「言い忘れてた。お誕生日おめっと」


そんなところも、変わらないね。
あたたかくって、くすぐったい。


「ありがとう」


お礼の言葉を返すと、君も笑った。

花が咲いたみたいだと思った。


外はもう、春。






















社会人になっても一緒にサシ飲み行ったりしてる3−6のイメージ。
不二は大学あたりで俺になるの希望なので俺にしちゃった!
イメージ合わないやって方ごめんなさい!笑

テニラビさんのイベント期待ageでこんな内容にしちゃった笑
不二お誕生日おめでとう!!


2019/02/28