* キスだけで言葉はない *












初めて秀くんの家に来た。
部屋はとてもきれいに整っていて、
誘導されるがままにベッドに腰かけた。

横に並んで数秒間が経って…
私の手にそっと秀くんの手が重ねられてきて、
顔を見ると、思った以上に近くて、
そのまま、そっと目を伏せると同時、唇が重なった。

<!-- 夢ここから -->
チュッ…チュッ……と
可愛らしい音でキスをする。

離している時間より合わせている時間の方が長くって
息継ぎ以外はずっと唇が重なっている。


すると、唇に舌先が触れてきたので
釣られるように舌を少し出すと
唇と舌先同士が合わさるようなキスが始まった。

チュウ、と
少し吸い込むような口づけ。

きもちいい…。

こんなに気持ち良くって、幸せなんだ。好きな人とのキスは。
とろけそう…。

秀くんの唇はこんな形で、こんな食感で、
舌だって、こんな味がするんだって
一回一回確かめながらついばんでいく。

あっ…あっ…
きもちいい……。

もう無限にこのままでもいいくらい…って思ってたけど
秀くんは少し大きめに口を開けて、首を左に傾けて、
それに合わさるように私も首を傾けて、口をもう少し開けて、
舌を伸ばしたら、驚くくらいぴったり重なった。

唇同士に隙間がない。
舌と舌がねっとり絡み合う。


「あ……ああ…あっ…」


一瞬離されるたびに、抑えきれなくなった声たちが零れていく。
こんな、声が勝手に出ちゃうくらい気持ち良いことって、ある?


チュ…チュル…チュウ……と
吸ったり舐め取ったりの濃厚なキスが続く。
気持ち良くってどうしようもなくて、
秀くんのことが、愛しくて愛しくてたまらない。


そんなキスを続けながらも、
秀くんの手は、私の胸を覆った。
全体を揉みしだくでも先端を摘まむでもなく、
広く覆ったまま、ゆーっくりと円を描くように刺激を与えてきた。

え、こんな…ゆっくりで、いいんだ。
ため息みたいな声が漏れる。
きもちいい…。
<!-- 夢ここまで -->

そっと目を開けると、優しい目をした秀くん。
口に出しては来なかったけど、「好きだよ」って言われてるような気がして、
私も口には出さなかったけど「好きだよ」って笑顔で返した。


セックスのテクニックって、
刺激する強さとか速さとか、場所の的確さとか、そういうの?


これには勝てないよ。
こんなに、心も体も満たされて、
「好き」と「気持ちいい」だけ感じながら
頭からっぽにしてすべてを委ねられるこのセックスには。



胸の刺激を続けたまま
右手が腰を撫ぜてそのまま下に迫ってきた。

スカートの裾をまくられて、
期待してるけど、恥ずかしがらないのもみっともないかなって、
足を閉じたけど、簡単にそこは開かされて、
下着の上から中心部を刺激された。

あ、そこ……

自分でも触れたことのある部位、だけど
人から触られるとまた違う。
あたたかくって、やさしい刺激がもどかしくって、腰がくねる。

そんな私の様子に気付いたのか、
少し強めにぐいぐいと押されると、
もどかしさが一気に快感に変わって、
声を抑えるので必死になってた。
息が荒い。

指による刺激が止められたとき、
ぎゅっと目を閉じている自分に気付いた。
ふと目を開けるとそこにはやさしい目をした秀くん。

自分が着ていたシャツを脱ぐと、引き締まった上半身が露わになった。
私も、脱いだ方が良いかなと服の裾に手を掛けると
肩に手を置かれて、
秀くんが脱がしてくれた。

背中に手が回されて…ブラも取られて、
私の上半身も露わになる。
恥ずかしい…。

目が合わさって微笑むと、またゆっくりとしたキスをしてくれた。
さっきと同じみたいにきもちいい…けど、
さっきよりも何倍も胸がバクバクしてる。
唇と舌が合わさって離れてのペースも、
さっきよりも速い気がしてる。


そのとき、
胸の先端が両手で摘ままれた。


「あんっ!!」


自分でもびっくりするくらい大きな声が出て、
私は口を両手で覆う。

でも秀くんはにっこり微笑んでそれを外す。
そして胸への刺激を再開する。
片手で摘んで、片手で咥えて。

「あっ……あん…ぁ…」

声、出ちゃう。
恥ずかしいけど、我慢もできない…。
きもちいい……。

舌の先端でコロコロ転がされて、
同じように反対の手でも刺激されて、
まるで二人に舐められてるみたいでびっくりして目を開けたけど
そこに居たのは秀くんで、秀くんだけで、
安心して快楽に身を委ねてまた目を閉じる。

チュウゥ…と吸われると、「はぁぅん……!」と
こんなに気持ちよさそうな声ある?ってくらい
恍惚としたため息交じりの声が出た。

あんな、小鳥みたいななんてことないキスから始まったこの行為が
いつの間にかこんなことになってる。

いよいよ、下着の裾に手が掛けられた。
恥ずかしい…けど、イヤではない。
ちょっとだけ腰を浮かすとするんとそれは取りさらわれた。
スカートも同様に脱がされて、いよいよ私は一糸まとわぬ姿。


中心部に、今度は直接、秀くんの指が触れて、体がビクンと跳ねる。
それが少し動かされるだけで、部屋中にピチャピチャと音が響いた。
今、そんなに濡れちゃってるんだ、私…。

部屋には、その粘液が掻き回される音と、
二人の息だけになった。


秀くんは指を離すと、一旦ベッドから降りて、
自分のズボンと下着を下ろすと、
そそり立った自身に、コンドームを装着した。

そしてベッドに戻ってきて、私に覆い被さる。

目が合う。


ぎゅっと抱きしめられる。

温かい。

生身で抱き合うって、こんなにも気持ちいいんだ。


秀くんの、勃起した中心部が、私の下腹部に当たってる。
硬くて、熱い…。
こんなものを、持っていたんだ。秀くんは。


体を起こすと、私の足を開かせる。
その間に体を入れ込むと、その熱くなった棒を、中心部に当ててくる。

大丈夫?と目線で聞かれている気がした。
私はこくりと頷いた。


ふぅー…と大きく息を吐いた秀くんは、
私の、手、と手、両手とも恋人繋ぎにして、
「いくよ」と囁くように呟くと、ズンッ!と体重を掛けてきた。

痛い…けど、入った気がしない。
右手だけ手を剥がして、場所を当て直して、
今度は、ギュー…っと体重が掛けられた。

メリメリ…と感触がする。
いた、い…イタイ……けど、
これは、入ってる、かな。入ってる…みたい。
苦しい…痛い……秀くん…!


と、そのとき。

キス、されて。

それまで息を止めてた自分に気付いて。

ふっと体の力が抜けた。


目を開けると、見たことないくらい切なそうに眉をしかめた秀くん。

息が荒い。

私も。


頬に手が添えられる。

ああ、なんだか、涙が出そうだ。


腰が、ズル…と動いて、
少し引き抜かれ掛けたのが、またグイと奥に押し込まれて。

き、っつい…。
けど、確かに繋がってる感触がそこにあった。


嬉しい…うん、

うれしい、な。



「…痛い?」

「ん、大丈夫」

「ごめん…」


私の言葉を無視した秀くんの返事は、
結局私の心情を察してのことだった。


「でも、キモチイイ…ごめ、止まんない…」

「いい、よ、秀くん」


秀くんが私を気遣って抑えてくれてるのも感じたけど、
少しずつ腰のペースが速くなっていく。
大きくゆっくりだったのが、一点だけで小刻みに前後したかと思うと。



…っ!!あ、イク……あぁっ!」



ドクン、ドクン、ドクン…と中で痙攣しているのがわかった。
すごい…秀くん、気持ちよさそう…。

いいな…。
いつか私も、同じものを感じられるように、なりたいな。


ハァハァという荒い息は少しずつ落ち着いてきて、
秀くんは私の中からモノを抜くと上に覆い被さるように私の上に体重を委ねた。
汗がすごい。


「ごめん、痛かった」

「大丈夫だって。秀くんはすごく気持ちよさそうだったね」

「……本当に気持ち良かった」


そう言うと、ぎゅーっと強く抱きしめられて。


、大好きだよ」

って言ってくれた。


照れ隠しもあり、本心もあり。
私は

「言われなくてもわかってるよ」

って、返しちゃった。























久しぶりに大石がUYに出てきてくださったので*(笑)

私はどちらかというとコミュニケーション多めを求めるので
致してるときも会話が多めな作品が多いと思うんだけど
これは敢えてのほぼノー会話にしてみた。ハイコンカップル(笑)


2017/07/30