* Oh, my committee. *












「私、大石に嫌われてると思う」



ある日の休み時間、
あーここネイル剥げてるなーなんて爪を擦りながらぽろりとそう零すと、
みんな爆笑しながら手を横に振った。


「まさかー!」

「んなわけないっしょ」

「でもホントなんだって!!」


周りにバカにされた気がして気に食わないけど、
これは、マジで、マジなんだって。


「あの大石が、人を嫌いになったりするとか」

「そうそう!あの人の良さの塊みたいな人が!」

「そう、そこなんだよ!」


私は指をずいと出して指摘する。


「だからこそ感じるんだって!前はさ、私も話しかけたら笑顔で返してもらってたよ?
 なのに最近、目も合わせようとしないし、なんか避けられてる気がする」

「えー考えすぎじゃない」

「なんか大石に悪いことした覚えある?」

「ない!けど、私こんなじゃん?大石みたいなタイプは
 こういう問題児は気に食わないのかなー、とか!」


あー…。

それはなんかわかる。と友人たち。


コラ。
少しは否定しなさい。笑。


「いつからそう思うの?」

「えー最近まで普通だったけどなぁ?」


思い起こす。



「あ、大石風邪で休んだことあったじゃん?
 その次の日用事があって話しかけたらみるみる顔が赤くなって…」



そのときの様子を思い返しながら話す。

うん、あのときの大石は、おかしかった。



「熱あるんじゃない大丈夫ー?って言ったら
 ダッシュで逃げられた。たぶんキレたんじゃん?」



アハハー、と開き直った笑いをする私に対して、
友人たちはお互いの顔を見合わせて。



…」

「それって、もしかして大石アンタのこと…」



………。

は?



「大石が?」



私を?って自分を指差す。
友人2名は首を揃えてウンウン。と頷く。


……えぇ!?



「ないでしょないでしょ!だってあの大石だよ!?」

「でもそれで説明つくよ?」



なかなか目が合わないのは照れるから。

避けられてるのは意識しすぎてるから。

近づいて話したりしたら、顔が真っ赤に。



………。



「えぇ〜…マジ?大石が?そんなことある?」

「そんでさ」



頭を抱えてる私になぎが切り出す。



も、普段は誰かに嫌われようが気にしないじゃん」

「だから、それはあの人の良さの塊みたいな大石だから…」



人が良くって。

優しくって。

しっかりもので。

いかにも悪いことはできなさそうな正直者で。



そんな大石に嫌われてしまったと考えたら、胸が痛くって。
普段は、誰にどう思われようと気にならないのに。

人の良さの塊みたいな大石だから?
大石だから?


………。




「…あれ、ホントだね」

「もしかして、君たちぃー?!」

「いやいや待てちょっと待て早まるな!!」




ないない、って今度は私が手を横に振って、
だけどそうしながらも、心臓がどきどきしてて。


やべぇ。

次、大石に話かけたら、
顔赤くなりそうな気がするし、なんなら、
走って逃げちゃうかも。

なんて思った。






















気付いてしまったら途端に好きな気持ちが加速し出すアレ。
タイトルも、思い込みってー、だったりw

大石ってさ、好きな子できてもいじめたりするタイプじゃないじゃん?
どっちかというと自然を装おうとした結果
逆に不自然に避けちゃうタイプだと思うんだよね(笑)


2015/06/30