* お祝いは日付変更1h前から *












秀一郎と付き合い始めて、丸3年と少しが経った。
私たちは大学生になって、秀一郎は一人暮らしを初めた。
そして、初めてお泊まりにやってきた。
明日は秀一郎の誕生日なんだ。

「誕生日になる瞬間を初めて一緒にお祝できるね!」
っていう話はしたんだけれど。

やっぱりお泊まりって、“そういうこと”をするのかな…?
一応、できる限りの準備はしてきた、つもり。


でもとりあえずはお誕生日のお祝いだね、
驚かせようと思ってプレゼントとクラッカーも準備したんだ!


料理を作ってあげて一緒に食べて、
レンタルした映画を見終わったタイミングで

「シャワー浴びる?」

「そうだね、今のうちに浴びちゃおっか」

ってなったので先にシャワーお借りして、
秀一郎も入って、出てきて、
そして今に至る。



まだほんのりと上気する肌で出てきた秀一郎は、椅子に腰かけた。
ベッドに座ってる私は足をぶらぶらさせながら、
ちらっと時計を確認した。


「あと1時間だね」


丁度11時を回ったところだった。
あと1時間何して過ごそうかなー、なんて考えて
秀一郎は何したいだろ、って問いかけようとしたら。


「日付が変わるまで待つのか?」


なんてことを言うから。
え、寝ちゃうの…って聞こうと思ったら。

思ったら。




「俺はもう待てないけど」


だって。


………え?



秀一郎は一回立ち上がって、私の隣に座り直した。

肩が。
膝が。
触れ合うそれくらいの距離に。


そしてこっちをしっかりと見たまま、聞いてくる。



「泊まりにきたっていうのは…良いと思って、いいんだよな」



何が。
って、しらばっくれることも出来たけど。

もちろん何のことを言ってるかはわかっていて。


いや確かにね、今日はそういう覚悟で来たけども!
シャワーも浴びたし準備は万全ではあるけども!

だけどちょっと待ってまずは誕生日を迎える瞬間を一緒に迎えて、
もしかしたらそのあと何かあるかなーとは思ってたんだ!けども!


「えっと…その……」


心の準備が、と口にしようとするや否や、
もう、キスされてた。


何も言えなくなっちゃったー……。



目を、閉じて、

そのまま身を任せた。




  **




いつもはどんなにいっぱいキスしたって、
ディープなキスをすることだってあったって、
こんなに長く。
色んな角度で。


これはただのキスじゃない。

前戯、なんだ

って思った。


舌を絡ませて、
歯だって隅々まで舐めて、
吸われて、吸い返して、
どこまでが私の体かわからなくなるくらい。


キモチイイ。

しかも、いつもとなんだか違う。



混ざり合い過ぎて。
溶け込むみたいな。

キスするのは好きだし、気持ちいいけど、
ちょっと違って、もっと何か、
体の奥底から、湧き上がってくる感じ。


このままアナタと一つになりたい。



ってフレーズが頭に浮かんで ハッとした。

そうか。
一つに、なるのか。



今、気付いたけど胸がすごくドキドキしてる。

心拍数どれくらいかなって
手で触れて確認しようと思ったとき、
私の心拍は更に跳ね上がることになる。

自分の手よりも先に、秀一郎の手が、私の胸に触れた。

薄いパジャマの布越しに、
秀一郎の手の温かさが、伝わってくる。
そしてゆっくり揉んでくる。


びっくりして、目開けちゃった、し、
顔も思いっきり離しちゃった。


目が合って、何を言おうか、
と考え終わるより先、
そんなことを考えること自体無意味だって気付いた。

先端の方を指でつまんで、こりこりとされた瞬間。


「ア……ッ!」


自分でも聞いたことないような甲高い声が出て、
慌てて口を両手で塞ぐ。

何これ。
私、こんな声出るの?


だけど秀一郎は私の手を口元から外させると、
「いいよ、もっと聞かせて」とだけ囁いて、
また、胸を包むように触られる。

さっきは片手だけだったのに、今度は両方で。


ダメ、だ…
声、出ちゃいそう。


だけど恥ずかしくって、なんとか我慢。
さっきは不意打ちだったから声出ちゃったけど、
気をつけてれば抑えられる…。


優しく全体を揉みしだいたり。
先端だけを軽くつまんだり。
指の腹で擦るように撫でたり。

触られてる部分が、気持ちよくって。
そっちに集中したいのに、零れそうな声を抑えるのに必死。


すると。


キス。

唇同士を合わせて。
更に、舌が割り入ってきた。
ら。


「ンッ……!」



もう、声を抑える術を失って。
どんどん零れ出す。



…可愛いよ」

「ヤダ、ダメ……あ…っ!」

「いいよ、もっと聞かせて」

「しゅういちろ……!」



恥ずかしい。

恥ずかしいけど、すごく気持ちいい。


もう抑えられない。



ついに、ボタンも外されて、胸が露わになった。
寝るときはノーブラ派、というわけで、一糸まとわぬ姿に。



「……キレイだね」

「はずかしい…」

「恥ずかしくなんかない、すごくキレイだ」



そう言って、胸元に、チュッとキス。

くすぐったい。
けど、なんか嬉しい。


乳首も、口に含まれた。
体がビクンと跳ねた。


何これ。

刺激、強すぎ。


「気持ちいいの?」

「え、っと……その…」


本当は、すごく気持ち良かった。

だけどそれを言ってしまったら、
淫らな自分を認めてしまうよな気がして。


口ごもって言えないでいると、
また、乳首が咥えられて、今度は舌で転がされた。

嘘だ…

こんなに、胸って感じるんだ…知らなかった。


「…ぁっ……ハァ…ん…」


気付いたら、声も漏れてた。


だけどもう無理だ。
抑えられない。

息が荒い。



私の。

……秀一郎も?



「あの、さ…」

「ん?」

「秀一郎は、どうしてほしい…?」



申し訳ないけど、
知識も経験もゼロ過ぎてどうしたらいいかわからない。

だけど今日は私が秀一郎の誕生日をお祝いしたいんだ。
こんな、私ばっかしてもらってちゃダメ。
私も返したい。
どうしたら、秀一郎は喜んでくれる?


「してくれるの?」

「え、何を…」


答えは言葉ではなく、行動で示された。
秀一郎は履いていたズボンを下着ごとずらした。

と、ソイツは現れた。


お父さん以外の初めて見た。

し、こういう状態になってるは本当に初めて見た。



す、ごい、な……。



思わず凝視していると、
ほら と手を取られて、握らされた。
秀一郎はその更に上から握りこんできて、
手を上下にさせ始めた。

わ。わ。わ。


「こうやって、するんだよ」

「なんか……すごいね」


びっくりしすぎて、上手な言葉が浮かばなかった。

男の人の体って、こんなに違うんだ。
硬くて、熱くて、色がちょっと怖い。


あ。
なんかちょっと動いた。
てか、もっと硬くなってきた…?

暫くそうしていて、秀一郎は手を離した。
けど…私はこのまま続けてもいいのかな?


顔を見ながら、手を上下させ続けた。
これで…いいんだよね……?


「うん…気持ちいいよ。上手だね」


そう言ってくれた。

秀一郎は普段よりも饒舌な気がして、戸惑っちゃう。
こんなにストレートに言われると、恥ずかしいな。

でもちょっと安心…。


すると。


「そのまま、少し咥えられる?」


え。


「先の方だけでいいから」


そっか…。

どうしよう、と思って、ちょっと戸惑ったけど、
恐る恐る顔を近づけて、
わ、なんか不思議な匂いがする…と思いながら、
パクっと咥えてみた。

これで、いいのかな…。
舐めてみたりとか、するべき?

手を動かし続けたまま、先っちょペロペロしてみた。ら。


「マズイ…出そう」

「!?」

「あ、もう少し大丈夫…続けて」


大丈夫、なのかな…。
よくわかんないけど、舐めて、しごいて…ってしてたら。


「あー……ッゴメン!」


何だ、と思ったときには
私の頭は秀一郎の両手で固定されてて
そして私の口と手の中に収まっているそのモノは
痙攣し始めたかと思うと、
口の中にどろりとした液体が…。


「ん〜〜〜〜〜!!?!?!」

「ごめん!吐き出して良いから!」


ってティッシュを渡されて おべろ て吐いた。
何これまずい苦いえぐいキモチワルイ…。


「うぇ〜……」

、ホントごめん!口すすいできな!」


そう促されて、洗面所でくちゅくちゅぺっしたけど
何回やっても取り切れない感じがする…ォェ…。
気持ちの問題なのかな…。

部屋に戻ると秀一郎は申し訳なさそうな顔をして待ってた。


「ごめん、大丈夫?」

「なんか…喉の奥がイガイガする…」

「ホントごめんな、びっくりしたよな」


よしよしと頭を撫でられて。
甘えるように腕の中に転がりこんだ。


「続き、しても大丈夫?」


て聞かれたから、コクンと首だけ頷かせた。
秀一郎は安心した顔をして、キスをしてくれた。


さっきみたいに胸を触られて。

その手がお腹を撫ぜながら下に降りて。

ズボンの端に、指が少し差し込まれた。


目を開けたら、目が合った。


一言「いい?」と聞かれたので、
またさっきみたいに、コクンと首だけ頷かせた。


自分でもよく知らないその部分を、
秀一郎に、触られちゃうんだ。今から。

ドキドキが止まらない。


、すごい濡れてるよ」

「うそ…?」

「うん。下着越しでもわかる」


恥ずかしい。
顔が赤くなるのを感じる。

さっきからいっぱいキスをして。
胸もいっぱい触られて。
そして秀一郎のモノを握って、咥えて…。

初めてのことがいっぱい過ぎて戸惑ってる。
だけどそれだけじゃない。
すごくドキドキしてる。
たぶん、期待とか、興奮とか、単に気持ちいいから、とか。


下着の上から、指でぐいぐいと押されて、
なんか、変な感じがする。

気持ちいい…のかな?
わかんない。
背筋がゾクゾクする。
なんだか不安になるような。
だけどやめてほしくないような。
変な感じ。


ついに下着の中にも手が差し込まれた。
あったかい、太い指で、
その部分をまさぐられる。


「うわ、…すごい」

「へ…?」

「溢れるくらいぐちょぐちょだよ」


ほら、と一回差しぬかれた指を見せられたら
そこはてらてらと妖艶に光っていた。


「ちょっと…恥ずかしいからやめてよ…」

「なんで恥ずかしがる必要があるんだ」

「だって……変じゃない?」

「変なわけあるか」


チュッとキスをすると、
一旦顔を離して目を合わせて、
からの耳元に口を寄せて。



「すっごい、興奮する」



ドキンと心臓が跳ねた。


また指を下の方に差し入れると、
ぐちょぐちょとかき回された。

「聞こえる?」とか言うから
「やめて…」って言ったけど、
恥ずかしがってる私が面白いのか全然やめようとしてくれない。

恥ずかしい、けど、
私もたぶんすごく興奮してる。

息が荒い。


、脱がすよ」

「うん…」


そういうと、秀一郎はまず自分が服を脱いでから、
私の履いているものを…一枚ずつ取り去った。

綺麗なものじゃないと思うし。
ただただ恥ずかしい。


「恥ずかしいからあんまり見ないで…」

「恥ずかしがることなんかないのに」

「私は恥ずかしいの!」

「そっか」


頭を撫でられて、キスをされながら、
下の方を手でまさぐられる。
服を脱いだせいで、ぐちょぐちょという音がさっきよりも露骨に聞こえる。

これは、わざと音を立ててるの…?
それとも自然とそうなっちゃうくらい私が濡れてるの?


あれ、なんか……。

よくなって、きちゃった。


さっきまではなんとなく変な感じだったのが、
なんか、キモチイイ、ような。


伝えなきゃ、私も。
秀一郎はそうしてくれてたみたいに。
それに今日は秀一郎の誕生日のお祝いなんだから。

勇気を、出して。


「秀一郎…」

「ん?」

「………好きだよ」


うまく言えなくて。
でも伝えることは伝えたくて。


だけど、もう一頑張り。

あなたの一年に一度の大切な日。

そして今日はこれからずっと一緒にいるあなたとの、
一生に一度の思い出の日になる。


「ありがとう。俺も好きだよ」


そう言って秀一郎は頭を撫でてくれる。
こんなに優しくて、私を大切にしてくれる人、他にはいないよ。

頑張れ。頑張れ


「好きだ、し…」

「え?」


消え入りそうな、小さな声しか出せなかったけど。



「……きもちいいよ」



恥ずかしくて死にそう。
顔がすごい真っ赤になってるの感じる。

だけど言えた。


でも全然返事が来ないから、
あれ声小さすぎて聞こえなかった?
と思って顔を上げたら、
秀一郎まで顔が真っ赤になってた。


、エロすぎ」

「あ、ごめ…」

「なんで謝るんだ」


ぎゅっと抱きしめられた、拍子に、
下半身に硬いものがあたる。
それは、思いっきり高く立ち上がっていた。


「さっき出してもらったけど、また我慢できなくなったよ」


また手を取られて掴まされた。
直に、その硬さが感じられる。

もう一回さっきみたいなことさせられるのかな、
と思ったけどすぐに手は放されて。


「これ、のせいだから。責任取れるよな?」


と。

それは、合図だった。


「うん」


覚悟を決めて、頷いた。


ちょっと待ってて、と言うと一旦そこから離れて、
何かと思ったら…あれは、コンドームかな?
そうか。必要だよね。
向こうからつけてくれて、なんだか安心。

戻ってきたら、一回キスをしてくれた。
そして、そのままそっとベッドに寝かされた。


「先、慣らした方がいいよな。指、入れるよ?」

「うん…」


一本目は、意外とすんなり入ってきた。
ちょっと圧迫感というか、異物感あるけど、全然平気。
そして、二本目…。


「……やっぱ、こういう感じか」

「え?」

「二本目、狭すぎて入らない」



え。
二本目…指二本でしょ?

それすら入らないのに。
え。
無理じゃん。


「初めてはちょっと痛いかもしれないな」


あ…やっぱり、そうなんだ。
血が出るとかっていうよね…。


痛いかもしれない。
怖い。
かな?


でも大丈夫。
乗り超えられるよ。

だって…秀一郎とだもん。


「私、大丈夫だよ」

…」

「優しくしてくれて、ありがとね。初めての人が秀一郎で良かったよ」


そう伝えた。
そしたら、これでもかってくらいぎゅっと抱きしめられた。


「初めてが、とかじゃなくて、これからもずっと俺だけにしてくれ」

「…そっちこそね」


ちくりと言ってやったら、笑ってた。

あれ、なんかさっきのプロポーズみたいだった?
でも遠い将来、そうなることも、期待しちゃっていいのかな?

今も。
これからも。
ずっとこの人と一緒だって。

そして今は、初めてその時を迎える瞬間。


秀一郎は私の足を軽く持ち上げて間に割り入ってくると、
私のその部分に秀一郎のモノの先端をあてがった。

直に熱さが伝わってくる。


「大丈夫?」


聞かれて、頷いた。


「大丈夫だよ」


大丈夫。
大丈夫。
だって、あなたと一緒だから。


体重がかけられて、かけられて…。
滑っちゃって。

もう一回位置を直して、体重かけられて…。
……入らない。


「やっぱ、大変だな、初めてって…」

「ごめんね…?」

「だから、なんで謝るんだ」


それは、申し訳ないから…と思ったんだけど、
そんな私の申し訳なさを吹き飛ばしてくれるように。


「俺こそ、辛い思いさせてごめんな。
 でも…俺を初めての人にしてくれて、ありがとう」


なんて、まっすぐな一言。

これは、さっき私が言ったことに対しての返事なんだって、わかった。
そうか。私だけじゃなくて
秀一郎も良かったって思ってくれてるんだ。


更に

「責任は取るから」

なんて言われて、
夢見がちなカップルってそういうこと言いがちだよねー
っていう考えも頭に浮かんだんだけど、
もう、付き合って3年以上。

私だって思ってる。
もうこの人以外いない。


「ありがと。私、頑張れるから」

「ありがとう」


エッチの最中にお互いでお礼言い合って、変なの。
だけど、すごくあったかいね。

ありがとう。

ありがとう。


「それじゃあ…いくよ?」

「うん、大丈夫だよ」


秀一郎が大きく深呼吸をするのが見えた。
私も釣られて深呼吸。

息を全部吐ききった、瞬間。


ズンッ。

と勢いよく体重をかけてきた秀一郎。


……イタイ。


そして、そのままグイグイと更に体重を掛けてくる。


イタイイタイ!!



「(う〜〜〜〜……)」

「ごめん、痛いよな?」



私はいつの間にか目をぎゅっと瞑ってたって
眉間のあたりを撫でられて気付いた。
ふっと目を開けると、目の前で秀一郎は、
眉間に皺を寄せて切なそうな表情をしていた。

汗がすごい。
秀一郎の。
……私もか。


「でも、…わかるよな?入ったよ」

「……わかるよ」


そう。
この痛みこそが、その証拠だった。
入口が裂けて痛いのか
中にモノが入ってきてるからなのか
よくわかんないけど、痛くて、
だけどとても……嬉しかった。


「秀一郎……良かった」

「うん、良かった」


繋がった状態のまま、キスをして。
顔を離すと、秀一郎はこんなことを言う。



、愛してるよ」



今までに何回も。
好きだよとか大好きだよとか
そんな言葉は交わしてきたけれど。
アイシテルだなんてそんな言葉、
作られた言葉みたいであんまり好きじゃなかったけど。

でも、わかってしまった。



「私も愛してるよ、秀一郎」



愛してるってこういうことで。
愛されるってこういうことで。
愛し合うってこういうことなんだ。

笑顔を交わした。


その間もずっと下は痛かったけど、
秀一郎は私の手をぎゅっと握ってくれて、
それだけですごく安心感があった。


「秀一郎は、どう…気持ちいいの?」


聞くと、コクコクと首を上下させた。


「締め付け凄い。動いたらイッちゃいそう」


そうなんだ…良かった。

だって、私の今日の一番の目的は、
秀一郎に喜んでもらうことだもん。

私ばっかり嬉しい気持ちもらってて申し訳ないくらい
いっぱいいっぱい愛してもらってる。

私も、いっぱいいっぱいいーっぱい返したいんだ。


「秀一郎、また、しようね」

「え?」

「今日は色々必死すぎたけど…次はもっと一緒に気持ち良くなりたいな」


ちょっと驚いた風な表情になってから、
柔らかい笑顔で「そうだな」といって髪を撫でてくれた。


「これから、いっぱいできるな」


その言葉を聞いて、そっか、
高校生だし実家だったからっていうのもあったし
ずっと我慢してくれてたのかなって気付いた。

今日は大切な記念日だ。

そんな日が、誕生日だったりすれば
これからも毎年思い出せるね?
毎年、同じようにして誕生日を迎えられたりするかな?


「それじゃあ、動くよ。少し、痛いかもしれないけど…」

「大丈夫だよ」


正直な気持ちを伝えた。


「痛いけど、なんかそれが、嬉しいから」


ありがとう、と秀一郎は微笑んで。
腰をゆっくりと上下させた。

痛いしなんか気持ち悪い。
これが気持ち良くなる日が来るなんて今は信じられないけど
今は、繋がることができたその実感だけで充分幸せ。


ゆっくり動いていたのが、
少しテンポ速めたな、と思った瞬間。


……俺、もうイクよ」

「うん。きて」


秀一郎の息はすごく荒くって、汗もすごくって、
思いっきり眉間に皺寄せて「あっ」と小さく声を上げると
中でモノが、びくんびくんと痙攣を始めるのがわかった。

暫く荒い息が続いてて、
それが整ってくると、
フゥ、と一回溜息を吐いて、
「抜くよ」と宣言してからそのモノを抜いた。


抜いた、ら、異物感はなくなったけど
やっぱりヒリヒリする感じが続いてる…。


ふわあ。
しちゃったんだ、なぁ。最後まで。

秀一郎は、ゴムと私の足の間を見比べると
「ちょっと血出てる…」と言った。
マジか!


「うそ、ごめん!汚した?」

「大丈夫だよ」


そういうと秀一郎はキスしてくれた。
汚してないから大丈夫なのか汚してるけど大丈夫なのか
秀一郎は優しすぎてわからないけど…。


ぎゅーっと抱きしめてくれた。
これでもかってくらい強く。


「痛かったよな、大丈夫?」

「平気だよ。秀一郎が気持ち良くなってくれたなら、良かった」

「…は優しすぎるな」


そう言って私の髪を撫でる。
どっちが、って思いながらも、
お互いを思いやれる関係って、いいなって思った。

そして時計を見ると…。


「あー!日付変わっちゃってたー!!」


えー、日付変わる瞬間におめでとうって言おうと思ってたのに!
もお!秀一郎が、そこまで待てないとか言うから!


「あ、やっぱりか?」

「うわあああん!そうなると思ったー!」


ぽかぽかと肩を叩いた。
秀一郎は参ったなとかいって笑ってるけど
いうほど申し訳ないとは思ってなさそうだし、寧ろ嬉しそう。


「…ま、いいや。秀一郎が喜んでくれたなら」

「最高のプレゼントだったぞ」


そう言ってニヤニヤしてるから、まあいっか、って思った。
実は私の鞄の中でプレゼントとクラッカーが待機してるけど
それはいつ出してやろう…と考えながら
ま、とりあえず、私自身が一番のプレゼントになれたみたいで、良かった。


そっか。
その時間に向かって待機して、
せーのでお祝いって形にはできなかったけど、
日付が変わる瞬間、私たちは
一つになって、同じものを感じていたんだ。

結果、こっちの方が良かった気がして、なんだか悔しい…。
だけど、一緒に誕生日を迎えられたのは、良かったな。


私からすることは珍しい。

ちょっと身を乗り出して、チュッとキスをした。


「お誕生日おめでと」

「ありがとう」


こうして恋人たちは、大切な記念日を迎えるのでした。

今日も、そして来年も、そのずっと先も。






















いい感じに前半部分はしょったぜーww
書きたい部分だけ書いた感w
いいんだこれは大石BD祝いだからなw
はしょった部分は29日だからww

日付変わる1時間前くらいから書き始めて、
日付跨いで寝る前に書き終えたかったけど
力入れて書いたら結局寝て起きて翌日昼までかかっちまったよw

非童貞感を必死に装いたい秀一郎だけど
実際はコイツ童貞だから。(て設定)

大石お誕生日おめでとう!!大石愛してる!(叫)


2015/04/30