なんだか最近、よく目が合うな。

好きになるきっかけって、そんな些細なことだったりする。










  * Watta coEYEncidence! *












「何、大石のこと好きなの?」
「そんなんじゃないけど!最近よく目が合うなって」


お昼ご飯を食べながら友人のに話を持ちかけると、
案の定そんな言葉が返ってきた。

違うのに。
好きだとかそういうんじゃなくて。
ただ事実として、最近よく目が合うの。それだけ。


だから私は「好きなの?」っていう質問に対して
否定の言葉を述べたけど。

は予想外のことを言いだした。


「となるとー、大石がを好きなんだ」

「えぇ!?」

「だってそうでしょ、向こうも見てなきゃ目は合わないんだから」

「そうだけど…」


まさかそう来るとは。
でも確かに、その考え方も一理ある。

だけど実際はそんなことはなさそう。
それは誰より私がわかってる。


「でも会話してても全然そんな感じしないんだよね」

「じゃあ偶然だっていうの?」


実は私のこと好きなんじゃないかな?と思って
そう疑いながら過ごしてみたけれど。
普通に会話を交わす限り、
とても大石が私のことを好きそうには思えない。

だから、の言う通り、偶然なんじゃないかなーと私は思ってる。
だけど何か引っかかるところがあるから、
に相談したのは事実なんだけど。

考えていると、は「でも…」と切り出す。

そして。こんなことを言う。



「それはそれで、運命かもね!」

「運命…」



そんな、運命だなんて大げさな、
と思ったけれど。

その瞬間から、なんだかとても、とても、
大石のことが気になり出してしまって。


もし、今「好きな人は誰?」って聞かれたら、
彼の名前を答えるのかな、って思ったら、
すごくドキドキした。






なんだかそのときを境に意識するようになっちゃって、
大石のことを目で追うようになってしまった。


そうしたら、向こうも見てきて。
目が合って。
ドキドキ。






合わさっていただけの目線同士がぶつかり合うのに、そう時間はかからなかった。

あなたはまっすぐ目を見て「好きだ」と言って、
私もまっすぐ目を見返して「私も」と言った。


なんだか、結局、まさかの両想い。


ちょっと気になって「いつから?どうして私なんかを?」って聞いた。
そしたら、目が合うことが多くって気になり出して、
最近は気付いたら目で追うようになってた、だって。



同時発生的な偶然が重なりすぎてて、
運命ってのもあながち嘘じゃないかもね、なんてね。






















coincidenceって言葉が好きで。
日本語での直訳でピッタリな言葉がないなぁ、
偶然とか併発とか近い言葉はあるんだけど
もうちょっと、起こるべきして起きた、
タイミング的な要素の大きい偶発、て感じなイメージ。
どっちが先かと思ったらまさか同時なの?て話を書きたかった!

全然大石である必要はないということには目をつぶろう(笑)


2015/01/18