* 笑顔defender *












「大石のどこがいいの?」


それじゃあ、また後でな、と挨拶をして別れて
教室に入ってきた私に、不思議そうな顔してなぎは聞く。


「優しいけどさ、別段面白い話とか気の利いた話できるタイプではないよね」


むむむ、随分と失礼なこと言ってくれるじゃない。
仮にも私の彼氏なんですが。

…とかいいながらね、自問自答したことあるよ。
この人の、どこが私は好きなんだろうって。

面白い話なんて苦手だし、
それどころかおしゃべり自体ほとんどしてこないし。



「どんなとこが好きの?」



直接的な質問。

さあ、自問自答の末に出した答えを、
今こそ人に話すとき。




「いいの。私が笑っていられれば」




なんと、自己中な答えでしょう。
なぎもぽかんとしている。


「まあ確かに、ちひろいつも楽しそうだよね。
 いやでもさ、だからなんで楽しくいられるのかなって」



私前に大石と話したけど話したけど会話続かなかったよ、だって。
そっか。普通はそうなるものなのかな。



「笑わせてくる人ではないけど、一緒にいると自然と笑顔になれる人だから。だから、いいの」

「ふーん…ゾッコンだね」



納得したのか感心したのか、それとも呆れたのか。
なぎは満足したようで話を打ち切った。

そうだね、ゾッコンだね。


なんでだろう、確かに面白い話も気の利いた話もしてくれはしないけど、
一緒にいると、楽しい気持ちが沸いてきて、
私ばっかが話してる。

そうすると、向こうも楽しそうで、笑顔だから、
私も釣られていっぱい笑顔になっちゃうの。


だからいいの。






















大石は笑顔を作ることは得意ではないけれど、
笑顔を守ることは誰より得意だと思うんだよね。

元ネタは三次元での自問自答だったりw
面白い話できる人ではないんだけれど、
どうして一緒にいると楽しいんだろうって考えたら
いつでも横でにこにこ話聞いてくれてるからなんだろなっていう。
大石もきっとそういう人だろうなーっていう。笑

Twitterの突発アドベント企画作品。


2013/04/30