* たまにはこっちの立場 *












とある噂を耳にした。

それを聞いた私は、喜ぶほどの人でなしではないけど
悲しめるほどお人よしかというとそうでもなくて。


ただ、そういう感情は抜きにして、
そこにあった事実だけの感想を口にした。



「いい組み合わせだと思ってたのになー、君ら」



ぽつんとした一言に、大石はこっちを見て固まる。


ちゃんと、君だよ」

「ああ」


ははっ、って大石は軽く笑った。
どうなんでしょうか、この反応。
やっぱり爆弾だったか?

でも気になる。
から聞いちゃう。


大石とちゃんは、学年でも有名なお似合いカップルだったんだ。



「どうして別れたのさ」



その言葉を聞き取ると同時、大石は笑うのをやめて、
こっちを見て数秒静止してから言った。


「……フラれたんだよ、俺が」

「あれま。ごめんね?」


もう気にしてない、って大石は言ったけど、
たぶんそれは自分にそう言い聞かせたいだけで
表情がまだまだ気にしている証拠だと思った。


むぅ。
なんだかなー…


君はもっと、笑っていてほしいのにな。

だったら、どうでしょう、
まずは私が笑ってみましょうか?



「どうですか?新しい恋をしてみては」



にこにこ、と目の前で笑ってやった。

大石はぶっきらぼうに「考えとく」と言ったので、
私は「是非前向きによろしくね」と返した。






















どうしても、主人公視点の大石夢だと大石はフる側じゃんな。
たまにはお前もフラれろよってことです(笑)
そして恋愛に臆病になる大石なwww

私は基本的に大石は白で天然気味な感じが好きだが
たまにこういう手塚寄りな厳格タイプ出てくるんだよね。

主人公の名前は出ないw


2012/05/25