* 春色のカオリ *
ふと、空気の匂いみたいのを感じることが、ある。
「わーいい天気!」
校舎から一歩踏み出して、は大きく伸びをした。
私は目の上に手をかざしながら、空を見上げる。
青い。
確かに良い天気だ。
なんだろう、こういうとき…ふと、
鼻の奥で感じるような、
でも目で見えているような、
なんだろう、その季節特有の“感覚”を感じることがある。
もしかしたら第6感というやつなのだろうか。
なんとなく、空気の匂いのようだな、と私は思っている。
「なんかさ、春になるとあれを思い出すーとかさ、
あれといったらこの季節だなーみたいのあるよね」
そう言われて、ふと思い浮かんだ顔が、あった。
「どう?はそういうの、ないの?」
「え、あ、どうだろー…」
ぼやかした、けれど。
そこにはとある人の顔が浮かんでいて。
横では、私はなんかね、毎年春になると歌いたくなる歌があってねー
なんて言ってふんふんと鼻歌を歌いだした。
何故だろう。
別に、その人が特段春らしいイメージを持っているわけでもなければ、
春にその人と何かがあったという記憶も思い当たらない。
ああそういえば、4月生まれだったっけ、っていうことくらいで、
でも確か4月の末だったから桜は散ってしまって
どっちかというと初夏、みたいなそんな季節だったと記憶している。
「やっぱり、春はラブソングだよね」
歌い終わって満足したらしいがそう言って、
…そうか、と気付いてしまった。
私はアナタが好きだったから、
なんとなく、あたたかくて、やわらかくて、
ほんのり桜色、みたいなそんなイメージを抱いてしまうのだろう。
くすぐったい気持ちになって、自然と笑みが浮かんだ。
「私にもあるよ、春になると思い出すもの」
「え、なになに?」
「あのね…」
誰、だとは名前は出さないけれど、
懐かしい初恋の思い出話をしてみようかな。
こんな気持ちになったのは、春風のお陰かもしれないね。
『恋風』の威力が強すぎますww
大石といったら海男ーみたいな感じなのに
どうしても夏より春のイメージになるのは、
私が大石を好きだからなのだろうという結論w
タイトルがちょっとPerfumeの『微かなカオリ』に感化されてますかね?
友人が歌ってたのはその歌ってことにしよう。(今決めたwww)
わーい大石お誕生日おめでとうー!
2012/04/30