思えばね、シュウはよく我慢したと思うよ。


遠距離恋愛期間を含んだとしても、
付き合い始めて、5年。
かの未遂事件から、3年。

いつの間にかそんなに時が経っていた。



、今度の休みさ、その……」

「何?すぱっと言っちゃえよ」



暖かい、というよりかは少し暑い初夏。
ぺろぺろと二段重ねのアイスを食べる私の横で、
カップのアイスを食べるシュウはなんだか歯切れが悪い。

もごもご、と口ごもった結果。



「外泊、とか……親御さん心配するかな?」


「………へ?」



持ってたアイスを取り落としそうだった。











  * The Dreams have become a Reality *












「それはどどど、どういう…」

「あっ!そうだよな!親御さんとかの前に、の意思だよな」



だから、それはどういう。

シュウはなんだかアセアセとしてて話にならない。
でもこの焦りようとか、外泊、とか、つまり。
………。


ついに来るべきときが来たのでしょうか。




「嫌、かな?」




バカシュウ。
そんな真っ赤な顔見せられたら、私も釣られるだろが。



「嫌…じゃ、ない」



こうして、久方ぶりのお泊まりが決定した。





思い返せば3年前、未遂はあったんだよ。未遂は。
あの日はシュウの家族が旅行で家にいなくって、
私は初めて泊まりにいって、
いい雰囲気…までいったけど、
私がオンナノコの日(…)に突入しちゃって強制終了。


その夏は何もないまま私はドイツに帰国、
そして2年が経過して去年の夏に帰国したけど、
受験生である私に気を遣ってか一度もこのようなお話は出てこなかった。

しかし無事大学にも合格し、入学して、いよいよ新生活にも慣れたところ。
お付き合い歴も5年突破したし、私も成人迎えたし……。



どうやら私、ついに初体験を迎えるときが来たようです。





  **





可愛い下着、OK!
ムダ毛処理、OK!
知識はネットで備えてきた(←)し、
いつでもどんと来いですわよ!!!

張り切って出陣。
したけど。


「お…おは、よう」

「お、オハヨウゴザイマス」


お互い、意識してるのモロバレ。

デート中ずっと、二人ともそわそわしてる感じで、
地に足が付かないような状態のまま、夜になった。


夕ご飯が、うまく喉を通らない。
そしたらそれは向こうも同じみたいで、
何回か目を見合わせて、ははって笑った。



夕ご飯のあとは夜の街を散歩して、公園のベンチに腰掛けて、
あれこれ話したけど当たり障りの無い会話だった気がするなぁ。
だって、平常心なんて保てないって。


時計をちらっと見たシュウが、
組んでた足を下ろして両足を揃える。


「そろそろ、行こうか」

「…うん」


ドキンと心臓が鳴った。

私は立ち上がると横にある腕を掴んで、
それを確認したようなタイミングでシュウは方向転換して、
二人並んで歩き出した。



そういえば私行き先を知らないんだけど、
また前みたいにシュウの家なのか違うのか。

どうだろうって分からなくて、シュウの腕にしがみついて
引っ張られるみたいにして歩いてたら、
あーこれは駅と反対方向に進んでるなってわかって、
俗にいう夜の街を歩く私たち二人です。



………。

さっきからシュウ、何も言わない。

私も、何も言えないけど。



・・・。



足が、止まった。
ここ?ではないよな…。



「あの」

「え?」

「本当に大丈夫?イヤだったら…」



…おいおいおいおい!
何今更キョドってるんだよシュウイチロウ!


ぐいと腕を引く私。



「何今更言ってんの」

「え、けど…」

「男だったら強引に連れ込むくらいやっちゃってよ」



ぷい、と顔を背ける私。
怒ってる…んじゃなくて、照れ隠し。


シュウは私が腕を掴んでる手を離させて
自分の指を絡めた。
そして、ぎゅっと強く握った。



「ありがとう」



…別に、お礼を言われるようなことじゃないと思ったけど。
私も手を握り返して、二人足並み揃えて歩き出した。





  **





そしていざ、室内。


「(…思ってたより、キレイ)」


シュウのとこだから、事前にちゃんと調べてあったんだろな。
てゆか、予約してあったの、かな?
なんかよく分からなかったけど。
私後ろでもじもじしてるだけだったから。(…)


いざ、来てしまった。

ラブフォってやつですよね…!?(※違います)(わかってます)



どうすれば、いいだろう。

よく分からないけど、シュウはベッドに腰掛けたので、
私も荷物を置いて隣に腰掛けた。


そっかーベッド一つなんだ、そりゃそうだよね。
でも思ってたより普通にホテルかな?
枕元に、なんか、いかがわしいものがあるのかしら…。




「は、ハイィ!」


声が裏返った!
そんな私を見て、シュウは笑った。



「緊張してる?」



ドキッ。

肩に手を回されただけなのに、心臓が撥ねた。


緊張……。
してるよ。それはもう。



「シュウはしてないの?」

「してるよ、勿論」



柔らかくそう言って、手を顔に添えて、キスされた。

キス……。

どうしよう、もう慣れてきたと思ったのに、
キスするだけでドキドキが止まらない。


キス。

キス。

キス。


キスの嵐のまま、そっとベッドに、寝かされた。
膝より下はベッドの外に下ろされたまま、
その体制で指を絡ませあって、唇を重ねる私たち。

指が、離されて。
服の隙間に手が差し入れられて、
腰に直に手が添えられた。

はっと驚いて目を開ける。
向こうも目を開けてた。

目が合う。
唇は離される。
私は声が出ない。
シュウが口を開ける。



「俺のできる限り、優しくするから」


ドキン。


そんな、シュウが優しいのなんて今更分かってるよ。
でも、こういう…時は、男の人ってどうなっちゃうんだろう。
聞いた話だけでのイメージだと少し恐い気もしてる。

でも大丈夫。シュウだもん。

優しくしてくれるだろうっていう安心感と、
アナタとだったらなんだって受け止められるよっていう、覚悟。



目を合わせて、そっと伏せて、またキス。
何回も。何回も。
味を、存在を、確かめるみたいに。


……キモチ、イイ。

緊張するけど、ちょっと期待してる。

これから私、どうなるんだろう。


背中に手を回されて、腕も引かれて、
起こされて座った体制になる。
そして、服の裾に手がかけられた。

…ついにか、と思った。



…脱がすよ?」

「…うん」


ボタンつきの服でくれば良かった、なんて今更後悔。
バンザイさせられるみたいにして服が脱がされる。
そういえばシャワー浴び損ねたな。
でもどうなんだろ、部屋に入った瞬間からなんかもうそういうムードだったよね。
別に、いいかな。出かける前に浴びてきたし。
汗かいたけど、シュウは嫌じゃないかな。私は別に嫌じゃない…。

なんて考えてたら服を取りさらわれ、下着姿の上半身が完全にあらわになる。
顔が熱くなる気がした。
胸元と顔を、腕をクロスさせてなんとなく隠す。



「恥ずかしい…」

「え?」

「電気消してよ」



顔を背けてスイッチを指差す私。
でもシュウは…ニヤリと笑って、
「俺はもっと見たいけどな」なんて言う。



「もう…やめてよぉ」

「どうして?」

「恥ずかしいって言ってるじゃん」



今、絶対顔真っ赤。
それがなおさら恥ずかしい。

でもいくら顔を背けたって、
向こうからはこっちが丸見えだし、
片腕じゃあ隠せる範囲も限られてる。


思えば、下着姿ですら見られるの初めてだし、
海やプールに行ったことはあったけど、
私は水着の上にTシャツやパーカーを羽織ったりで、
こんな風にまじまじと見られる状態で素肌を晒したことがない。

覚悟はしてた、けど、思ってた以上に恥ずかしい。


するとシュウは


「じゃあやめるか?」


なんて言う。


え。

いやまあそりゃ今私は究極に恥ずかしくて
それこそなんでこんなことになっちゃったんだろとか思うレベルで
でもそれは本当に嫌かっていったらそういうわけじゃなくて
逃げ出したいような気持ちはあるんだけど
それでもアナタとだったら受け止められますみたいな
初めてはいつか必ずあるわけだし
それが今じゃなくて後になったって初めは初めてなわけで
つまり今でもいいんだよってことなんだけど
でも え やめんのどうすんのえ嘘マジでここまで来て えマジ?え?え?




「なんてな」




・・・・・・。

このタマゴ野郎。(※暴言)



私の脳内葛藤をどうしてくれる!
と、一言文句を言ってやろうと思ったら。



チュッ


と、首筋に、キス。




鳥肌が立った。





「もう待たない」


「―――」




待てないとか待ちたくないとか、
そういう気持ちは置いといて、それが事実。

もう、時間が待ってはくれない。




抱きしめられた。
あたたかい。
こんな広い胸に包まれて、ああ、私は本当に幸せ者だ。


シュウ。

好き。

大好きだよ、シュウ。



体を離して、目と目が合う。

この人なら、大丈夫。
この人に全てを預けてみよう。



そっと、シュウの手を取った。

そして自分の胸に当てる。


っ?!」

「……」


焦ったシュウの声。
揉んでいいんだかいけないんだか迷ってる風な、
不自然に開いた手のひらは軽く汗ばんでる。


貧乳でごめんな。

でも、ものすっごい、ドキドキ伝わるでしょ?



「今、すごい緊張してる」



そしたらシュウも、ふっと笑って。
今度は私の手を取ると自分の胸に押し当てた。



「俺も」



ドキンドキンっていうか、バックンバックン。
手のひら全体が叩かれてるみたい。


そっか。
シュウも一緒なんだ。

緊張して、少し恥ずかしくて、
でも一緒なら大丈夫だよねって。


シュウの手を解いた。
そして、服のボタンを外していく。


「お」

「私ばっかり、寒いじゃん。シュウも脱げ」


そんな、精一杯の照れ隠しの言葉。

ああもう、どうにでもなれ。


はらりとはだけて、上半身裸。
見たことは何回もあったけど、
こうして改めて見るとたくましいななんてドキッとする。


うまく目が当てられない。
首に腕を回して、キスを求めて誤魔化した。


ちゅっ。

と、初めは軽く。


そしたら……。




「(わぁ……)」




舌が奥まで進入してきて、絡め取られる。
どこまでが自分なのか境界線も分からない。

音が脳内まで響いてる。




「(脳みそ、とける…)」




いつの間にか、目閉じてた。

ちゃんと開けられない。

きもちいい……。



うまく息継ぎが出来ない。
あれいつもどうやって息してたっけ。
口?鼻?あれ?
ああもうそれどころじゃない。


一瞬口が離された。
ときに、思い切り息を吸う。
苦しいけど、まだまだ足りない気がして、
吸い付けられるようにまた唇同士を合わせる。


とろける。

もう、いっそとけこんじゃえばいいのに。


そんなキスを続けたまま、手が取られた。
その手は、そのままシュウの下半身の中心へ持っていかれる。


うわ、すごい。



「(男の人、だ…)」

「わかる?」

「かたい…」



さっきの逆みたいに、今度は私の手のひらが
どうしていいんだか迷って不自然に開いたまま押し当てられてる。


噂には聞いたことあったけど、本当に熱くて硬い。
この人には、私の体にない部分がある。

知ってたけど、今更再実感。
私は女。シュウは、男の人なんだ…。


顔と手が離される。
……。

目が合っても、何を言っていいのか分からない。


黙っていると、シュウがにやりと口を開く。



「今度は、そっちが不公平なんじゃないか?」

「…やっぱりそうなる?」



シュウは上半身が完全にあらわ、
私はまだ下着をつけた状態。


「…外していい?」

「どうぞ」


許可を取ってくるのもどうかと思ったけど
笑う場面でもないと思ったんで、そのまま黙って身を任せる。


シュウは私の背中に手を回して、

両手を回して、

……。


格闘中?



「取れない…」

「嘘だよ取れるよ」

「あ、待って!」


自分で外そうと手を回したら、
シュウからストップがかけられた。
促されるまま、私は反転させられる。
見ながらでいいからなんとか自分で外したいらしい。


「(男心かなぁ…)」


でも確かに、
脱ぐより脱がされる方がドキドキするな。
向こうも自分で脱がせたいんだろな。
ここでガバァ脱いだらムードなかったかな。
どうも私はそういうところのデリカシーに欠ける。



『プチッ』



あ。


外れた。


肩の荷が下りた、みたいな、
背筋が緩んで胸元が涼しい。


肩紐が、しゅるり。

もう一本しゅるり。


ぱさっ。



そして、また表を向かされる。

そういえば結局電気消してもらえてない…。



「………」



おい、何か言ってくれや…。



「……」

「ごめんね、貧乳で」



私の言葉を聞き入れてか否か、
いやきっと聞こえていなかったかな、
シュウは私の胸を凝視したまま数秒固まって、
そろそろと持ち上がってきた手、を、
自分で一瞥して、
息を大きく吸うと、
両腕で私を抱きしめてきた。


力が強く強くこもる。

息も出来ないくらい。



「シュウ、苦しい…」

「………」

「シュウ?」



返事が来ない。
ついにどっかスイッチ入ったかな?

と、思ったらシュウは私の両肩を掴むようにして体を離して。





「何」



まさかそんな言葉が来るなんて身構えてなかったのに。









「本当に愛してるから」









……わぁ。


これ泣いちゃうよ…。




「…私も。私も、シュウ、愛してるよ」




目の端が、ちょっぴりうるる。
瞬きをしたら零れ落ちそうで、でもギリギリ視界が歪む程度。

嬉しくて泣けちゃうなんて、
嬉し涙を堪えてるなんて、
私どれだけ幸せなのさ。



にこりと微笑を交わして、
シュウの視線が、また私の胸に落ちる。
ちっちゃいおっぱいだけどさ、
男の人から見たらやっぱり特別な物に見えるのかな?

シュウは私の様子を伺うように問う。


「触っても、いいかな」

「いちいち許可取らなくていいってば」


なんて、呆れた笑い混じりに言ったけど、
そっか結局下着外すときは言葉には出さなかったんだっけ。



そっと、手が伸びてくる。

そして、包まれるように、触れられた。



「(……わっ!)」



体が、小さくピクンと撥ねた。
自分の体じゃないみたい。
何、この感じ。
ちょっとくすぐったい、みたいな、
でも違う何かがぞわぞわこみ上げてくる。

感じる、って、こういうことか。



「(うそ……)」



私の体、こんなに敏感だったんだ。
知らなかった。
だって自分の胸なんていくらでも触れたことあるし
それこそ揉みしだいた(…)こともあるけれど、
こんな、ぞくぞくするような快感が潜んでいたなんて。

声、出ちゃいそう…。


「柔らかいな」

「……」


声をかけて顔を見てきたシュウは、
きっとそこで初めて私の様子に気付いたのだろう、
口元に手を持ってきて、快感に堪える、私の姿に。



「…気持ちいい?」



聞いてくるシュウ。

それが素直な疑問なのか、
意地悪で言ってるのか、
優しさゆえなのか。
私には判断できない。


照れ隠しで、気持ちよくなんかない!って、
言っちゃいそうになったけど。

きっと向こうだって、
不安になったりしながら、
私の気持ちとか、体とか、
気遣ってくれてるんだって、信じる。


だから、恥ずかしかった、けど、
声に出さないままコクンと首を縦に倒した。

途端にギュッと抱き締められた。



声が、耳元で聞こえる。



「かわいい。凄くかわいい」



心臓が キュン てなった。

かわいいって、元々好きな言葉だけれど、
アナタに言われると。
そんなに心をこめて言われちゃうと。
こんな幸せなことってないよ。





「んっ…」



唇が塞がれる。
その間も、手の動きが止まらない。

優しく揉んだり、
先端を軽く摘むようにしたり。


ダメ、声出ちゃう…。

必死に堪えてる、けど、
そのせいなのかな?さっきから自分の息が荒い。


「…我慢してる?」

「なに、が…」

「声」


…バレてる、のか。
でも、ここで声出しちゃったら、戻れない気がする。
何か分からないけど、自分の中でギリギリ保ってる自制心がどっかいっちゃいそう。

いいのかな、
どっかいっちゃっても。



「我慢してるなら、いいよ」

「で、も……っ」

「いいよ。の声聞きたい」

「っ……!」



張り詰めていた糸が、

ピン と切れる感じがした。

もう止められない。



「シュ、ウ……んっ」

…」

「あ、っ……ぁぁっ…!」



一度零れだしたら、ぽろぽろ落ちてく。
もう拾い直せない。

だって気持ちいいんだもん。
頭おかしくなっちゃうよ。



「…ゃっ、シュウ……やあぁっ!」

「っ…!」

「ふぁ……アンッ!!」



がばっとベッドに押し倒された。
そして、首元にキスを落とされる。
そのキスが降りてきて、胸の先端も咥えられる。



「あ、ダメェ!」

「ダメ?」

「ヘン…!ヘンになっちゃうぅ!」



もう、なってるかな。

何も考えられないよ。
頭おかしい、ヘンだよ、私。


くらくらとする意識の中、目を開けた。
カチャカチャという音が聞こえたからだ。


、俺もダメ。爆発する」


そうして取り出された、モノ。

正直ぎょっとした。



だって。

え。え。え。え?
噂には聞いたことあったけど、本当に大きい!?
何これ体内に入るの?マジ?正気?
シュウののサイズが平均的なのかそれ以上なのか分からないけど
いやこれソーセージっていうけどドイツのブルストじゃん!うわぁん!!



「握って」



覆いかぶさるように片腕ついた体制で、
シュウはもう一方の手で私の手を掴むと
その“モノ”を握るように誘導して、
そのまま何度か上下させた。

わ。わ……。

硬くて熱くて、
なんか思ってたのと違って、湿っぽい?
なんだろうこれだけで固有の生き物みたい。

更に硬くなってきた気もするけど、
気持ちよくなってくれてるってことなのかな…?



「うん…そう。気持ちいいよ」



我ながらぎこちない手つきだな、と思いながら
とにかく言われた通り上下させた。
なんだか怖くて直視は出来ない。


キス。ディープキス。しながら、
乳首をコリコリとされて、喉の奥で高い声が出た。
思わず手が止まっちゃいそうだったけど、
シュウにも気持ちよくなってほしいと思って、頑張った。

あーでも手止まっちゃうかも…。
キモチイー……。


と思ってたら、シュウは手を止めた。
ので、私も手を離した。
わ、ぺちょってする…。


と。



ぽろん。


“ソイツ”は、目の前にやってきた。




…ハジメマシテ。

漸くお目に掛かりましたね、私、です。



シュウが、遠慮気味に聞いてくる。



「…咥えられる?」



ぱちぱちと。瞬き。


咥えるて。
咥えるて。

それって噂の…フェ○ッチオってやつですか!?(←思わず脳内伏字)
ていうか何コレえ黒いの赤いのよく分からないし
覚悟はしてたけど思ってた以上に、てのは盛りすぎかな、
でも、思ってた通りに、結構グ…ロ……。(フェードアウト)


…なんていう脳内葛藤はほんの数秒だったと思うんだけど、
気を遣ってかシュウは、体勢を変えると笑って頭をがしがしと撫でてきた。


「ごめん。大丈夫だよ、無理しなくて」


別に、戸惑っちゃっただけで、シュウのだったら嫌じゃないんだけど…

って言おうと思ったけど、
わざわざ言わなくてもいいか。
また次もあるんだろうし。
……あるんだよね?


毎回こんななのかなー…そしたら私死んじゃうな。
でも少しずつ慣れていくものなのかな。
それはそれで淋しい気もするけど、
もっとお互いのことが分かるようになって、
色々が上手になって、
余裕がありながら、それでも大好きな気持ちだけは持ち続けていられたら、素敵だな…。


と、考えていたら。

スカートのジッパーが開けられていた。



「わっ、変態!」

「今更だろ」

「そうだ、けど。そうだけど…!」



今までも十分恥ずかしかった。
でも、人生20年、ずっと守られてきたソコを晒すのは、
またそれ以上に特別な思いがあった。

だって、女の子だもん。
一生に一度の、初めてだもん。

アナタに捧げられること、感謝しないとね…。


覚悟を決めた。



「…ごめんね、大丈夫だよ」



抵抗するのをやめて、逆に、腰を少し浮かせた。
スカートはするんと脱がされて、
今度は、下着にも手が掛けられていた。


…うん。

大丈夫。


自分の中で納得がいくと同時、下着もシュウに下ろされた。
私の、大事な場所。



「あんま、見ないで」

「なんで」

「やだってば!」



一生懸命にシュウの目を塞ぎ。
でもそんなの簡単に取りさらわれて、
寧ろじっくりと観察してる。





「え…?」

「すごい濡れてる」

「ウソ、ひゃっっ!!」



指が。
そこに当てられて。


興味本位で自分の体を探ったことはあったけれど、
それよりも太くて温かい、自分ではない指で触られるのとでは、わけが違った。



「あっ!あっ!ヤァ…ッ…!」

「凄い、…」

「シュウ…!」



なんだろう、そのときの気持ちは。

自分がどうにかなりそうな不安と、
なんかもう、本能的なものだったと思う。


気付いたら腕を伸ばしてシュウを求めてた。

ぎゅっと力を込めて抱き締めて、
そしたら離して、唇同士を合わせた。何回も何回も。
角度をずらしたり、深さを変えながら、何度も。


…!」

「なっに…シュウ…ッ」

「もう俺、優しくできない、ごめん」


息も絶え絶えの、振り絞ったような言葉。
そう一言残してくれたことこそが、シュウの優しさなのだと思った。
こっちも、だけど、向こうも必死なんだ。



「早く入れたい」

「うん…っ」

「……どこ?」

「こ、こ…」



胸がドキドキする。
もう既にびしょびしょの下半身を、シュウがまさぐる。
その指を誘導して、とある部分に宛がわせた。


「ここ?」

「あ…ぅぐ……」

「痛い?」


異物を受け入れたことのないそこは、
指程度の物を差し込んだだけで拒絶反応を示してるよう。

本当は痛い。
けど、そんなこと言ったらシュウはやめちゃうでしょ?
優しくできない、なんて言うけど、
そんな言葉を発してる時点で優しさ消せてない証拠だもん。

アナタが辛い思いをするか、私が辛い思いをするか。
どうせ辛いんだったら、私が頑張るよ。

乗り越えたいんだ。二人で。


「だい、じょうぶ…やめないで…」

「本当に…?」


遠慮がちだった指の動きが、少し早くなる。
そして、奥まで差し込まれる。


「あ、あああああ…!」

「ゴメン、

「だい、じょぶ。だいじょうぶだから…っ!」


口ではそういうけど。

本当は痛い。
イタイイタイ。
話には聞いてたけど、やっぱり痛いよ。
これだけ濡れてて、さっきまでは気持ちかったのに…。

ここに、さっきのあんな太いのが入ってきたら…!

想像したらぞっとした。


指が抜かれた。
抜いたあともなんだかヒリヒリする。


「…不安?」

「……」


ノーとは言えなかった。



「なるべく、ゆっくり入れるから」



やっぱり、来るんだ…!
普段のシュウだったら止めるところだろうな、
やっぱりスイッチ入るとこうなるんだ。
優しさ残っててもやっぱり優しくできないんだ。

どうしよう、怖いな。
とても嬉しいことのはずなのに、恐怖が勝ってしまう。


そんなことをしてる間に、コンドームが装着されてた。
うわ、わ、わ、ついにって感じ…!



ちゃんついに、大人になります。


さよなら、少女の私。


シュウは私の足を抱えるようにして割り入ってきて、
中心部に、中心の熱いものを、宛がった。


わー…。



「…いくよ」

「うん……」



体重が、ぐっと掛けられて。

わああああ!
なんか、ミシミシッて感じ!
ウソだ!無理だ!無理ムリ!!!


「入らない…」

「うん…」

「場所、あってる?」

「大丈夫…」


確認をして、また体重が掛けられる。



……あっ…。



「ちょ、ちょっと入った…かな?」

「ホントか?」

「たぶん…」

「もうちょっと、入れるな」


わ、わあわあわああわあ!

痛いイタイイタイイタイ痛い!!!


え、これ入ってんの?入ってんの??
場所的には間違ってないんだけど入ってはないかも?
押されてる感じしかしてない気がしてきた…。


「(う〜……)」

、これ以上入らない」

「え、やだぁ!」

「…もう一回、やってみるな」


体が離されたけど、もう一度トライ。

だって、こんな痛いのまたやんなきゃいけないなんてヤダ!
(きっと一回乗り越えれば大丈夫なんだそんなもんだ…)



「ん、ううぅ…」

「どう?入った?」

「たぶん、あんまり…」

「そうか…」



なんか、穴ごと押し込められてる気しかしない…。
たぶん入ったら、入った!って分かると思うんだけど…。


シュウ、息がすごく荒い。
我慢してるの、かな…。
自分の衝動と、私への気遣いで、きっと。

………。


「シュウ、もっと思い切って、いいよ」

「え…?」

「私に、遠慮してるでしょ?」


図星、という顔が見えた。
なんだかんだ、私が痛がってるの気にして
力を抑えているに違いない。

いいのに。
今まで守ってきたのは、アナタのためなんだから。



「大丈夫。私、もう恐くないから」

…」

「良かったよ、初めての人がシュウで、良かった…」



自分で言いながら涙が滲んできた。

シュウ、シュウは?
今どんな顔してる?
見たいけど涙でかすんで良く見えない。

瞬きを繰り返す、と、
不安もありそうだけど、覚悟を決めた顔が、見えた。



「…じゃあ、最後に一回」

「うん」

「痛かったら、ごめん」

「どんと来い」



そこで目を合わせて。

キスをした。



ああ。

これだけで幸せなのに、
どうして人はもっと深く交わりたがるのでしょう。
男と女ってやつなのかな。
生存本能だね。




「いくよ」


「うん」




もう場所は覚えたのかな、
迷うことなく秘部同士が宛がわれて………っ!



「イダッ!!」



わ。
可愛げない声出しちった。



「あ、入った…!」

「シュウ、痛いイタイ!」

、入ったぞ!」



痛がる私を他所にシュウが浮かれてる。
私も嬉しい気持ちはあるんだけどそれ以上に痛いそれどころじゃないマジああああ…!

でもシュウが体をズラすたびに、
確かに中に何かが入っているのが感じられる。
たぶん先っちょ数センチ入った程度なんだろうけど、
確実に、繋がっている実感があった。

痛い。
けど、これも実感なんだ。


「シュ、ウ…良かった」

…」


私はシュウの首を引いて、頑張って頭起こして、
繋がったまま、キス。もう一回キス。


そしてシュウがまた腰をズラした、とき。



「あ、ごめ…」

「…シュウ?」

「イク………うっ!」




中で、何かが弾けた。


ドクンドクン、波を打ってる。
何これ凄い。



「ハァ…ハァ………ハァ!」



ズルンと中からモノを引き抜くと(イタイ!)、
シュウは私の横にごろんと寝転んだ。
息が荒い。

その呼吸も整ってくると、部屋は静かになった。


数秒経って、ぽつんとシュウが喋り出した。



「ごめん……」

「え、何が?」

「俺だけ…勝手にイッちゃって…」



そこまで言うと情けなくなったのか、
シュウは両手で顔を覆って「あー…」とか唸ってる。


これは、どうしたもんか。


んー……。

本当のことを言うのが、一番かな。



「でもシュウ、私嬉しかったよ」

「…なんで?」

「だって、私の中で気持ち良くなってくれたんでしょ?」



シュウもこっちを見た。
目が合う。

…すぐぱっと逸らしたけど。


「なんで顔逸らすの!」

「俺しばらくの顔見れない…」

「なんで!なんでなんで!」


肩を掴んで揺すってみたけど払われた。(冷たひ…)
シュウは腕で目を隠すようにして呆然としてる。

……ふぅ。
ま、いいか。
お互い思うところは色々あるよなぁ…。
(今になってみたらあれもこれも恥ずかしいし)

でもこれで私、もう処女じゃないんだなぁ。
シュウと…初体験しちゃったんだな。
もう大人の女性の仲間入りかしら。


まだちょっと、ヒリヒリする。
あでも血は出なかった?かな?そっか。
奥まで入んなかったからかな、出ない人もいるのかな。

痛いしなんか初めてで必死すぎてわかんなかったけど、
いつか、気持ち良いって感じられる心と体になれたら、いいな…。


ずっとずっと。
一緒にステップアップしていきたいなあ。


「シュウー…」

「ん?」


とろんとした目で、シュウがこっちを見る。
よく見ると顔がほんのり上気してる。
なんかわかんないけど、事後って感じ…!(勝手なイメージ)


「眠いの?」

「…ごめん」

「いいけど」


目を擦るシュウ。
何これ珍しい。可愛いな。


「…こそ、大丈夫か。痛くない?」

「あー、ちょっと痛いけど、まあ平気かな」


大したことないよって笑った。
そっか、とため息交じりに返事をしたシュウは、
やっと少し笑ってくれた気がした。


シュウは首をこっちに向けて、
ようやくまともに目が合って、
私の頬を指の背で少し撫でると

「好きだよ」

と言った。

なんかいつもとシュウ、感じ違うな。
どきどきする。


「私も好き」


にかっと笑って言ってやった。
本当に、本当に大好き。


「あー…ごめん無理。寝ていい?」

「うん、寝ちゃおっか」

「あー、でもその前に、色々…」


とかなんとかぶつくさ呟きながら、
むくっと起き上がるとシャワールームへ向かった様子。
すごいな、私まともに動けそうにない…。
けどなんか、いちおう、拭くくらいしとこう…。

寝転がったままティッシュ箱に手を伸ばして、
自分のその“部分”を軽く拭き取った。
じんじんとくる痛みがあって、
でも辛いというよりかは、勲章みたいでなんだか嬉しい。


そんな気持ちに浸ってたらシュウが戻ってきた。
倒れこむようにベッドにうつ伏せに寝転がる。


は…シャワーとか浴びたい?」

「シュウは?」

「俺いいや…」

「じゃあ私もいいや」


なんか、本当に疲れちゃったみたい。
いつものシュウと違う。
かわいい、なんて言ったら怒られるのかな。

まだまだ、知らないことがいっぱい。
こういう行為を通してしか、分からないこともあるのだろう。
私たちの関係も、また少し、変わってきたりするのかな。



「おやすみ、

「おやすみー!」



うつ伏せだったシュウももぞもぞと体勢を変えて、
仰向けになって私の首の後ろに腕を通してきた。
わあ、腕枕ってやつだ!と感動して、
明日になるまで一緒にいられるんだ、
目が覚めてもこの温かさに包まれていられるんだ、って、
そこも嬉しくって、これもお泊まりの醍醐味なのかななんて。


布団を被ったら、急に意識がまどろんできた。

間もなくシュウの寝息が聞こえてきて、
私もまぶたが下りてきたみたい。



朝目が覚めたら、今までとはまた違う私たちになってるのかな?

答えは、起きたら分かること。




おやすみ、シュウ。また明日。

これからもずっとずっとダイスキ。






















ついに大稲でやっちまったぁぁぁー!(白目)

目標:いかにリアルさを出すか。(笑)
一押しは微弱ながら発生してる賢者タイムw
そしてそのまま眠いモード突入しちゃう大石wへたれww

大稲の大石は、普通の大石夢と比べて口調が砕けてます。
長年連れ添って慣れた関係であるってのを意識して書いてるんで。
そこらへんが自分的にツボっていう(笑)

夢でもCPでも攻側に該当するキャラって
どうも余裕があるのがデフォだよなーと思って、
もっとこう初めてらしい必死感のある感じにしてみました笑
それでもやっぱ余裕あるな…ギリギリでカッコ良さを残したい願望が出ちまった(笑)
てわけで、ガチ童貞って感じの大石夢はまた別に書きますね!(爽)


2012/03/31