* だってカッコイイんだもん。 *












「荒井先輩ってカッコイイよね〜」




カチローの突然な一言に、
堀尾とカツオはぎょっと振り返った。



「か、カチロー…?」

「あーどうしてあんなにカッコイイんだろうなぁ」



うっとりとした目で宙を仰ぐカチロー。
突然の発言に堀尾とカツオは驚きを隠せない。

その二人を他所に、カチローは力説を始める。



「堀尾君はテニス暦2年っていうけど中学校から始めた荒井先輩の方がうまいしさぁ」

「う…」


「カツオ君と一週間程度しか誕生日違わないのに大人っぽいしさぁ」

「まあ、確かに…」


「でもそれを言ったら僕の方もなんだよねー!
 初めて会った頃の荒井先輩って今の僕とだいたい同い年なんだよ!
 そんなの信じられなーい!!」



甲高い声できゃいきゃい、と騒ぐカチロー。

どちらかというと荒井は、下級生には嫌われるタイプだった。
堀尾は、焦った様子を隠せない、という様子で問う。


「どうしてまた荒井先輩なんだよ?
 お前、手塚部長とか、ほら、越前とかにも憧れてただろ!」

「部長は雲の上の人っていうか。リョーマ君は目標って感じだし!
 荒井先輩は、なんていうかそれだけじゃなくて…」

「……なくて?」


顔を伏せたカチローの顔を、カツオが恐る恐る覗き込んだ…その瞬間。



「浅黒い肌とか太ももとか男の僕から見てもぐっとくるし!
 鼻筋も通っててキリッとした顔つきが大人っぽいなって思うし!
 眉間に皺を寄せた表情もなんかカッコイイっていうか色っぽいし!
 なんかもうそういうの含めて、とにかくカッコイイんだよねー!!!」

「おい、それ誰の話だよ…」

「キャー荒井センパイッ!!」



声を聞きつけてその場に現れた荒井。
きゃいきゃい、逃げ去るようにカチローはテニスコートから消えた。
その場に残された堀尾とカツオのやりにくそうなことこの上なし。



「「………」」


「…練習すっぞ」


「「ハイ」」




自主的に外周をし始めるカチローを他所に練習は始まった。
走りながらもカチローは、先ほどの自分の醜態を思い出すたびに、
そして荒井の勇姿を見るたびに、更に足を加速させ、
20周、30周…結局部活が終わるまでに100周以上走り続けるのだった。






















デバガメカチロー。(←固有名詞)
(「あわわわ僕見ちゃった!」的なカチロー的意味で)(どんなだ)

カチ荒に挑戦することにしたけどギャグにしかなりませんでしたwサセンw
少女漫画的な片想いのカチ荒は私には難しいんだよね。
理由:荒井先輩の方が乙女だから(笑)

しかしこれ、カチローじゃなくて、私の脳みそでした☆(てへりこ)


2012/03/29