* ユキの声がする *












今日は、

周助の誕生日。




「雪めっちゃ積もってる!」


「すごいね」



横で柔らかく笑う周助。


朝は数センチ程度だったのに、
学校が終わったら、10cm超えてるかな、これは?


サクサクと歩き出す。

でも、ところどころ解けかけてる。
明日から3月だし、もうそんなに寒い時期でもないのかもね。


とはいっても、雪が降るほどだしもちろん寒いわけだけれど。



「さすがに寒いね!」

「それ、着ければ?」



周助は私のバッグからぶら下がっている耳当てを指差した。
ゆらゆら揺れてるそれには、少し雪がついている。



私はちょっと考えて、

でも言われたし…と思って着けて、

やっぱり結局外した。



「…今日はいいや」

「何、今日はって。今日ほど必要な日ないでしょ」



クスクスと柔らかく笑う周助。

…もう、わかってないな!




ポスっと、周助に耳当てをつけてやった。
ぱちぱちと瞬き。



聞こえるかな?

聞いてほしいけど、聞かせるのは恥ずかしい。



顔を背けて、いつもより小さな声の私。





「私、周助の声が好きなんだよ」





おや、という顔で周助は笑った。


耳当てを外させると、

「ごめんよく聞こえなかった。もう一回言って」

なんて平気な顔をして言う。
もう、絶対聞こえてるくせに!



「もう言わない!」

「え、怒った?」

「怒って、るわけじゃないけど…。
 ほら、ね!だから、聞こえにくいから耳当てなし!!」



そう言って顔を背けて歩き出す私。



ああ、今耳が赤いんだろうな。

こういうときは耳当てなんて便利かもな。

でも、赤いのは寒いせいって言えばいいかな。


やっぱりいらないや。



「わ、つめたっ!」

「あったかいね、の手」

「もう…こういうの普通男女逆でしょ」



そんなことを考えながら、手を繋いで歩く私たち。

冷たいなぁ。
でも、好きなんだなぁ。




「にしても今日こんな大雪降らすなんて、
 さすがって感じだよね」

「僕ってそんなに雪キャラ?」

「夏より冬でしょ」

「そうかもね」




息をゆっくり吐く。

煙みたいになって空気中に消えた。




「僕、今日が誕生日で良かったよ」




耳元でささやかれるように言われて、
コイツわざとやってるな、って思ったけど、
わかっていながらドキっとしちゃう私も私だよね。



しんしんと降り注ぐ雪みたい。

柔らかいような、どこか冷たいような、
透き通ってて、落ち着いた声。


これからもその音を、私の耳まで届けていてね。






















分かると思うけども雪と甲斐田ゆきさんをかけてみました。
昔から甲斐田さんの声は好きです。
甲斐田さんの声だったから私は不二が気になって、
だからアニメイトのポスターで注目して、
生足ノックアウト…という流れがあったわけですよね。

彼氏と一緒のときは手袋と耳当てはいらないのれす(^p^)
てことです。
不二の手は冷たいに限るー!(そればっか)

にしても今日雪降りすぎwさすが冬と白が似合う魔王様やで…!


2012/02/29