* 公欠バレンタイン *












本当についてない。




「久しぶりー。」




わざと棒読み風に挨拶。
しかも、普通なら「おはよう」でしょ?

私は一週間、インフルエンザで学校を休んでた。
今日は少しだけ久しぶりの学校だ。



、良くなったのか」

「なったよ」



ぼすっと鞄を机に置いて、椅子を引いて座る。



「…な、なんか怒ってるのかい」

「怒ってない!」



ぎゃんっ!と噛み付くように。
怒ってんじゃん、とツッコミが来てもおかしくないとこ。
だけど秀は心の中だけで押し留めてるのがわかる。


あーもー。
わかってるよ私だって!
秀に八つ当たりしたって仕方がないってこと。




「…バレンタイン」

「ああ、この前バレンタインデーだったな」

「…過ぎちゃった」

「…そうだな」



…ったくー。

秀も、私のご機嫌損ねないよう努めてるのはわかるけどさ、
逆効果っていうか。下手くそなんだよー。



「今年はちょっと手の込んだの作ろうと思って張り切ってたのに」

「えっ」



……お。
来ましたか?



「なら、これから作るんでも良いんじゃないか?」

「…そう思う?」

「もちろん!」



じゃあ仕方ないな、なんちゃって。

これからなら材料安くつくかな、なーんてね。



さぁてと、自分でハードル上げちゃったし、
これは頑張るしかないかな?



遅くなった分、1年と2日分の愛を込めてつくるからね。






















相手がどう答えるかなんてわかってんだから、
ていうか自分がどうするか決まってるんだから、
作って持ってきちゃえばいいのにそれができない女々しさ。
試着室で「どっちが似合うと思う?」みたいなアレね。

てわけでサバサバしてる女脳を目指しました。
こういう子は自分が男っぽいと勘違いしてるのに
思考回路がまるっきり女子だから困る。(毒)

バレンタイン何も出来なかったけど今更何かしたくなったのでw
来年は363日分の愛なのかよとかそういうツッコミは禁止です。


2012/02/16