* 想像に辿り着く頃には *












日曜日の午後。
ふと、暇だなと思ってダイヤルを回した。

さて、出てくれるかな?



「もしもし」


おっ。
優秀な1コール!


「やっほー、元気?」

「ああ、体調はいいぞ」

「何さ心は病んでるの」

「そういうわけじゃないけど」


柔らかい声で話すシュウ。
いいよなぁ…。

でもなんか片手間っぽいな…
さては別の作業に集中しているな?

なんて思っていたら。



「ところで、今そっち何時だっけ」


……は?



「あ、あの…シュウ?」

「えっ!?あ、ごめん!!」



凄い勢いで謝り始めた。
どうやらボケたわけではないらしい…。

でもそうだよね。
4年間これでやってきたんだもん。
ずっと普通じゃない環境に置かれてたから、
突然普通に戻ると、普通じゃなさに驚かされちゃう。



でもね。

こんなやり取りも、あと少ししかできないのかなって思った。

きっと数ヶ月も過ぎる頃には、
お互いが日本に居るのが普通、
会えるのが普通、
電話なんて日常の何気ない動作になっちゃう。


そう思うとさ、
わずらわしかった時間差だって寂しくなっちゃうね。


本当に“今しかできない”付き合い方をしてきたんだな。
これからとは違う、今までの、付き合い方を。

後になったら、今のことも、もうできないなって思うのだろうか。



「ホントごめんな。で、何の用事だ?」



なーんてのんきに聞いてくるもんだから、
声が聞きたくなったとかとかそんな言葉は使わないで、
なんとか君に会いに行きたいなぁ、なあんて。






















久々大稲。しかも帰国直後ネタ。笑
突然大石の素ボケが閃いて書きたくなったw

また遠距離になる布石みたいな書き方になったけど
そういうことを書きたかったわけではないw

あの頃は若かったなぁなんていうけど、
今後の人生で今が一番若いんだから頑張ろ!と思うわけ。


2011/06/16