* まさか、不憫だなんて *













今日はなんの日だったか。


学校に着いたら、大変なことになっていた。



「連続殺人のニュース見た!?物騒だよね〜」

「ね、本当に転校生来んのかな」

「昨日の試合メチャ熱かったよな!」

「え〜超ファンだったのに結婚とか何ー!!」

「アメリカの山火事ヤバイよねー!」

「明日の町興し行く?」

「また総理大臣変わんのかよ!」



テレビの特集や新聞の一面も、
どのトピックを選べばいいかで慌しく、
それに加えてローカルネタまで加わってしまい、
今日はなんだか話題が忙しい。



「大石君はどう思う!?」

「な、何が…」

「転校生だよぉ〜男の子かな、女の子かな!」

「ていうか本当に来るのかな!」


きゃっきゃっと盛り上がるクラスメイト。
なんだか俺はどっと疲れた気がした。

それに…。



別に、淋しい、というか。
そもそも大きな期待をしているわけではないけれど…。



「大石ィ!」


「 ・ 」



廊下から聞こえた、元気な声。



「なんか今日教室騒がしいね」

「英二のクラスはそうでもないのか?」

「そうでもあるある!もう新学期1ヶ月経ってるのに転入生とか来んのかな」


やっぱりそれか…と思っていたら
「あとアメリカやばいよね!燃えすぎ!」とか言ってる。
危機感があるんだかないんだか…。

と。



「それよりさ」

「?」



気付けば。

自分自身も他の話題に釣られて、

忘れてきたところだったというのに。




「お誕生日おめでとっ」





耳元で、たった、一言。



「他のみんなは忘れてても、オレだけは覚えてるかんな」

「英二…」



ニッと、強がりな笑み。


別に、淋しいとか思っていたわけではなかった。
だけど、言われて温かい気持ちになったのは、
やはりどこかで期待していたのか。



「それだけで、充分だよ」


むしろ、ちょっと特別な。



騒がしいけれど、自分の周りは少し静かな、今年の誕生日。






















テニミュの誕生日が4/30とか聞いてねーからwww
騒がれすぎちゃってて大石が不憫でならねーわw
もう一人誕生日の子いるわよ!祝ったげて!みたいなw

Twitterがミュ誕で盛り上がってる中
一人だけ大石ツイートしてる自分に気付いて閃いた作品。


2011/05/01