* 感動のご対面です! *












「ね、今週の土曜日部活ないでしょ?一緒に勉強しない?」


それは、テスト期間に突入したある日のこと。


「そうだな。せっかくだし、うち来るか?」

「え、いいの!?」

「妹に会いたがってたろ」

「そーだった!!」


そうなのよ。
秀一郎の家には一回遊びに行ったこともあったけど、
そのときは妹さんには会えなかったのよね〜。


「何歳だっけ?」

「3つ下だから…今11歳かな」


私の質問に、秀一郎は宙を仰ぐと答えた。


「ってことは小学生!やーんかわいい〜」

「そんなに可愛いもんでもないと思うけど…」


困った表情の秀一郎を横目に、私は完全にウキウキ。
妹か〜。
私、男兄弟しかいないから憧れてるんだよね。
一緒に好きな人の話で盛り上がっちゃったりさ。
どうしよ、「私本当はお姉ちゃん欲しかったんだ〜」
なんて言われて抱きつかれちゃったりしたら!


ドキドキは、週末へ続く。




 **





――土曜日。


「えっと…紹介するよ。妹の美登里」


目の前に立つ人物を見。
私は、視線を……
持ち上げた。


…です。よろしくお願いします……」


そこに立つ女の子は。
綺麗なストレートの黒髪。
切れ長でクールな目。
鼻筋はピッと通って端正な顔立ち。

そして、ホットパンツにニーハイがよく似合う……長身。

そ、そういえば秀一郎も背高いもんな。
前にお母様にお会いしたけど160センチ以上ありそうだったな。
もしかしてお父様も同じく細身の長身でいらっしゃるのかしら…!


「何、お兄ちゃん彼女いたんだ」

「この前言わなかったか?」

「あーそういえば言ってたかも」


すすっと横を通りすぎ、
たかと思ったらくるりと振り返り。


「大石美登里ですよろしくお願いします」


丁寧だけど簡素な挨拶をし、ぺこりとお辞儀をした。
その足で玄関の方に向かうと、
「夕飯までには帰る」と残して出掛けていった。



「………」

「ごめんなー、あんなんで」

「はっ!いやいや!」


口をポカンと開けて固まっていた私だったけれど
秀一郎の言葉で我に帰った。


「妹さん、クールな感じだね」

「今ちょうど反抗期ってやつでさ」

「なるほど…」


私は反抗期らしい反抗期ってなかったからなぁ。
そうかぁ、じゃあお兄ちゃんも大変だなぁ!


「それに成長期みたいで、ここ一年で12cm伸びて164cmらしいぞ」

「わお!」


胴長短足家系の私は成長期終えて153cmしかないっていうのに…!
ああ、神様って不公平…。


「…イメージと違ったってか?」

「え、あ、ごめんね!」


焦って返事をする私に、秀一郎は「否定しないもんな」と笑った。


「美登里、たぶん羨ましがってるぞ」

「へ、なんで!?」

「こんなに伸びたくなかったーっていつも喚いてるから」


…そっか。

そういうことも、あるのか。


「今更だけど、似てるね!秀一郎と妹さん」

「本当か?」

「うん。特に鼻辺りが」


そんなことを話ながら、いつか妹さんとも仲良く話せる日が来たらなー、
なんて考えた。






















本当は、私の中での大石妹設定は
めっちゃお兄ちゃん子のおてんば小4生なんだが。
そういう理想を描いてると痛い目見るよねっていう話。(笑)
名前が美登里なのは譲れない。
由来は大石の恥ずかしい緑色の目より。

なんかやたら大石夢閃くなーと思ったらそうかそういう季節か。
毎年の習慣で恐ろしいわwwww


2011/04/15