* ずっと君とアップデート *












私と武が付き合い始めて、1ヶ月。

学校帰り、夕日の下、
うちから二つ曲がり角を曲がったところ。

まだ離れたくないなぁ、なんて思ったら、
向こうも似たようなことを思ってるのがなんとなく感じられて。

立ち止まったのに繋いだ手は離されてなくて。

視線が合わさって。

ちょっとずつ近付いて。


………。



「ふふっ。ファーストキス」



私が思わず笑顔を零した。
幸せで、くすぐったい気持ち。

対して、武はあからさまな作り笑いをして目を逸らした。


あれ。


「もしかして、初めてじゃないの?」


武は視線を泳がせて、
あーだのうーだの言ってる。


「いや、あのな、小学生の時ちょっと…」

「えぇー!!」


どういうこと!?
だって付き合ったのは初めてって…。


「ほら、あのな?あんじゃんガキん頃って、
 罰ゲームで『誰々にキスしてこい』みたいな」

「それで本当にキスしたのぉ!?」


あきれた。
小学生の頃、男子ってすごくアホに見えて、
そしたら本当にアホだった。

今も、アホだけど、あの頃よりは頼りになるのに。


なのに!


ていうか、その女の子も可愛そー…。


同情とか嫉妬とか全部ごっちゃになって、
どういう顔をしたらいいか分からなくて
思わずぷぃっと顔を背けてしまった。


「なぁ、機嫌直せよ。な?なっ?」

「……」


背中の後ろで武がご機嫌取りに必死になってる。
でも私も、今更どんな顔して振り返ればいいんだか…。

あー。
幸せなファーストキスの直後だったと思ったのに。


「…

「ん?……っ!」


肩を掴まれたと思うと、
無理やりに体を反転させられ、
状況を認識する前に、唇が合わさってた。


…2回目。

なんて、回数を数えているのはいつまでのことだろう。


「お前は、最初にキスした相手じゃねーけどよ」


肩を掴んだまま、武は語る。

ちょっと、痛い。
力、強いな…。



「これからずっと、最後はお前だから」

「―――」



昔は、変えられない。
だったら、そんなものに縛られるよりも、
どうとでもなる“これから”を保障してくれると。

そういうこと?


「本当に?」

「本当だ」

「約束する?」

「ああ」


約束を解除する日が、来なきゃいいなぁ。
でも、解除できるくらいの方が、いいのかなぁ?

そう思ってたら、3度目のキスが、降りてきた。






















解約ってつまりバイバイのことだからね。
永遠の愛系の約束って怖いよね。

でもね、じゃああの約束は破棄ねってなるのは
お互いが納得の上で別れるときなわけよ。
一方的に裏切られたら約束は破ったことになるからね。
そう思うと約束解除できるって良いことじゃん?
みたいなねw青春ラブに見せかけ微ダークともいえるww

「もう過去は変わらないんだからさ」と嫁に言われたのさ。
慰められてるというか、言い聞かせてるのかもなw
ビッチでごめんねww


2010/08/28