* 誕生祭半時間前後 *












あなたの誕生日、の、
30分前に気付いた。

今から何が出来るだろう。



とりあえず話がしたくなった。


電話、してもいいかな。

それとも今は、
違う誰かが傍にいたりするかな?


あなたの誕生日の、15分前。


悩んでる時間が勿体ない。
懐かしい操作でダイアルを回した。



プルルルル…。

出ない、かな?


あ。



「もしもし」

「もしもし、ごめんねこんな時間に」


いや、と柔らかく言った。

耳をすます、けど、他は何も聞こえない。


「今、一人?」

「うん。一人身」


嫌味、なのかもしれないけど
私の回りくどい詮索は無駄だったってこと。



あなたの誕生日、の、始まる、10分前。







新しい街はどうだとか、
学校や友達や健康状態なんて
当たり障りない近況を報告して。

こっちは相変わらずだよなんて返事が、
嬉しかったり羨ましかったり
どこかで切なかったり。



いつの間にか

時は流れてるのに。

気付かずに。



「あ」

「ん?」

「お誕生日おめでとうございました」



あなたの誕生日の、5分後の話。





「いいえ」という返事が、
いつも通りが変わっている証拠で
相変わらず君は君だと思った。




君の誕生日が始まって、終わった、
30分後の話。
























タイトルフォロー:
プラマイ30分を君について考えた過ごしたという意味と
約30分間君と過ごした、の意味で。
今年は誕生日ないからなw

不二ハピバ! 


2009/02/28