* りんご飴 *












夏祭り。
屋台。

ばんざーい!


「わー見てみてあっち金魚すくいやってる!」

「ま、待って!その前にその前に…」


私は、通り過ぎそうになったところを数歩後ずさり。
そこにあるのは…。

りんご飴。


「りんご飴ぇ?あんたこんなこどもなの好きなの」

「うるさいなぁ、好きなんだからしょうがないじゃん!」


200円で、飛び切り大きなやつを選ばせてもらった。
やった♪


「じゃあ金魚すくい行こ!あ、カキ氷もいいね〜」


ずんずんと進む友人の背中を追う。

しかし……
混んでるな!!!


「待って、はぐれる!」

「のろま〜」

「あー待ってってば!」


人ごみに流されそうになる。
なんとかよけて、よけて、よけて…。


『ドン』

「わ!…むふっ」


道行く人に小突かれて転びそうになった私。
しかし叫んだ私の口は、途端に塞がれた。

その犯人は…りんご飴。


「(わわわ、べっとべと〜!!)」


恥ずかしい…今私どんな顔してんだろ。

きょろ、と周りを見渡す。
と。


「!?!?」


ギョっとする。

けど。


「(あ……違った)」


「おーい、何やってんの!」

「あ、今行く!!」


ぺろりと口の周り舐めながら、
私は人の波が切れた合間を走り抜ける。


びっくり、した。

だって、
今目が合った人、

私の片思いの相手にそっくりだったから。


実際は他人だったから、
もちろん無言で通り過ぎられた。
ありがたいやら、余計に恥ずかしいやら。


あーあ。

あの人だったら、

「おっちょこちょいだなぁ」

なんて言って笑うんだろうな。


「何にやけてんの?っていうか口の周り飴だらけだよ」

「あーもう言わないで!!」


やっぱり私は、
りんご飴大好き。


夏祭りバンザーイ。





















名前出なかったけど、大石です。
大石なんです。
「おっちょこちょいだなぁ(爽)」
とかいってる大石が良いんです。

あ、でも別の人に脳内変換しても大丈夫です。(適当)
ドリームなんてこんなもんだ!

元ネタありですw覚えてるかな?
勝手に使ってすみませ〜ん(汗)


2008/07/28