* 許してくれるよね。 *












ねぇいいでしょ?



今日は


年に一度の



告白しても許される日なんだから。






『プルルルル』

「……」


呼び出し音が鳴る、この間がもどかしい。
向こうはどうしてるのかな、
一緒に何かしてるのかな、とか考えちゃうから。


休みの最中に、わざわざ電話する私。
向こうに、その意図は読めてたかな。

私ばっか意識してて、向こうは、
憶えてなかったりするのかな。


憶えてないなら思い出させてやればいい。

今日は、それが許される日なんだから。



「あ、もしもし」


出た。



「もしもし。どうしたこんな日に」

「え?あ、いや、ちょっとね」



“こんな日に”っていう言葉に過敏に反応してみたり。
でも相手は、そのつもりはないんだろうから。
ただ、春休みのど真ん中にっていう、そういう。

私が口ごもると、大石はそれ以上は何も聞いてこない。
それどころか間を取り繕うために
「いい天気だな」とか言ってくれちゃったりして。

ああもう。おかしいなぁ。


「実は…大石に言いたいことがあるんだけど」

「うん、どうした」


突然真面目な声。
場に相応しているのに、
私は笑い出したいのを必死に堪えている。



「あのね」



この間も


深呼吸も



三年前から何も変わってないのにな。





「好きだよ」





次の間も


表情も


何も変わらないのに


返ってくる言葉は同じじゃなくなったね。



「あ。もしかして今日…」

「やっと気付いた?」



ケラケラと笑う私。


ああもう。

おかしいなぁ。



「いい加減学習したら」

「その時は『来年は騙されないぞ』って思うんだけどな」


へぇ。

私が来年も同じことするの前提なんだ。


来年も

変わっていないことを。


……。




「バーカっ」




笑ったから。


声ちょっと掠れた。




ちょっとムッとした返事が返ってくるけど、
私は飄々と交わして「これからもよろしくね」って言ってやる。


いいや。

意識してるのが私だけじゃないって分かったから。



来年は

受話器を持ち上げたら


「大嫌いだよ」


って言ってやる。



予想外の言葉にどんな返事をくれるか、

今からドキドキしてるからね。






















ついに小説書けました。イェイ☆
予想通りというか、やはり一発目は大石夢でしたとさ。

久しぶりに【現実込み】発動。
最近愛しさがぶり返してどうしよう。
多分、別れが近いこと意識するからです。
だって友達に対しても愛しさ感じてるわけだから
恋愛じゃなくて友情って意味で通用すると思いねぇ。

(通用とか言っちゃう辺り、実は恋な気もしなくもねぇ)


2006/04/01