* 二人で楽しいね *
「英二、お誕生日おめでとっ」
「サンキュー!!」
大はしゃぎ。
朝から何やってんだ、こいつらは。
まったく。
受験シーズンだっていうのにね。
こんなんでいいのかなぁ。
「はい」
「ん?」
差し出したのは、少し大きめの包み。
「プレゼント」
「え、うそマジで」
がさごそ、と包装紙を破り取る英二。
中から出てくるのは…マフラー。
「うわっ、これ手編み!?」
「ううん。買った」
「あ……そ」
明らか沈んだ声。
思わず内緒でくすっと笑う。
「ショック受けた?」
「いや、そんなことないけど…」
ウソつき。
まったく、バカだなー英二は。
「素直じゃないなー」
「本当だってば!ほらあったかーい。ちひろには貸してやんねー」
誰が自分であげたプレゼントを借りるよ!
と思ったけど、それじゃつまらないので、
とりあえず黙ってスルー。
そして、小さな声で。
「二人で巻こうと思って、長いの買ったのにぃ…」
「!」
英二は何も言わず、
自分の首から半分解いて。
「はい」
「―――」
「これでいいのかよ!」
「ウン。あったかいね」
そう言ったら、英二はどこか物足りなげに、
だけどやっぱり嬉しそうで、
いつもより近くにある斜め上の顔は赤かった。
気温は低い。
「さて、いそごっか。早くしないとベル鳴っちゃう」
「よし!二人三脚だ。せーの!」
「わっ、ちょっと待って英二のバカ!注目浴びすぎだから!!」
とかなんとか言っちゃって、
こうして二人で居ることを見られることが、
少し嬉しくて、心地好かったりして。
そんなことは、教えてやらない。
だって、今日は君の誕生日でしょ?
私ばっかり楽しんでちゃ、なんだか君に悪いもんね。
「はー。やっとついた」
「安心してる暇はないよ、早く上履き履いて!」
「分かってる、急かすなって!!」
そうは言いながら、焦ると慌てる英二。
余計にもたついて、なかなか靴が履けてない。
もう。
「英二」
「なんだよオレ今忙し…」
チュッ
……。
「…何、今の」
「プレゼントその2」
頬を押さえながらこっちを見る仕種。
顔が、外気に触れてた時より真っ赤。
あれ、おかしいな。
やっぱり、私ばっかり楽しいや。
ううん、二人で、楽しいね。
「さ、早くいこっ」
「分かってるよ、ったくー…」
こんなやりとりが、
何よりもの私からのプレゼント。
英二、お誕生日おめでとっ!!
まともなお祝いっぽいお祝いが出来なくて
マジこりゃ申しわけねーなーと思って即興で。
愛はあるわけよ。英二好きだよ。ホント。
最終的に、質より量、量より愛で勝負です!!
最近日常創作多いなぁ…。
起承転結もなし。ぶっちゃけどうでもいい。
そのどうでもよさが丁度イ→イ↑!(9232)
英二お誕生日おめでとう!
2005/11/28