* 好きな自分作り *












どうして、自分ってこうなんだろう。

こんなにダメなんだろう。


どうして。






「………」

「どうしたんだ。また考え事か?」



ポン、と頭に手を乗せられた。

その重みが、くすぐったいみたいで、
思いっきり振り払いたくなった。

くすぐったいっていうか、どこか煩わしくて。




「自分がキライ」

「―――」



ちょっと、間があった。


「どうして」


やさしげな声で聞き返せるのは、
秀の強みだと思うよ。

それが地、なんだろうな。


ぽつり、ぽつりと。
私は少しずつ思いを口にしていく。


「何やっても…失敗ばっかりで。
 頑張ろう、って思っても、実際に行動に移せない」


やっぱりまた、少し、間。



「そんな自分が…キライ」



返事が来ない。
秀も言うことに困ってるんだろうな。

分かってる。
自己嫌悪に陥ってる人間って
傍から見てて声掛けづらいし、同情するのも微妙。

分かってるのに、困らせるようなこと言う。
そんな自分が嫌。

また イヤ が、募る。



沈黙を破ったのは秀のこんな言葉。



「俺は好きだけどな」



一瞬、素で「何が?」とか
聞き返しそうになった自分が居たけど、
口には出さずに視線だけで問い掛けた。

秀は、少し気恥ずかしそうに。


「いつもがむしゃらで…全力尽くしてて。
 だけど失敗して。それでも、また立ち上がって」


なんだろう。

私、誉められてるよね?


どうして、どうして涙が出そうになるの?



「俺はのそんなところ、尊敬してるし…好きだよ」

「しゅ、う…」



ふっ、と。

秀は柔らかな笑みを向けてきた。


「おかしいかな」


苦笑いする秀。
私は首をぶんぶんと横に振った。

涙は、ごくんと飲み込んだ。



そっか。
私、いつも秀に力貰ってばっかだと思ってたけど…。


私も秀の力になれてるんだね?

勇気を与えることが出来てるんだね??



「すごく嬉しい」



泣きそうになったのは、
笑顔で溶かして消した。


そうだ、と秀は思い出した風に言う。


「何をやっても失敗ばかりで…そんな自分が嫌いって言ったろ」

「う、うん…」

「それなら」


秀は、こっちを見ないで。

遥か遠くを見ながら。



「好きになれる自分を作れよ」



な? って。

首を傾けながら言う仕種。


それが私は大好きだ。



「ガンバル」

「ああ、頑張れ」



弱い自分には、ここでさようなら。


だけどいいよね、転んでも。

また、自力で立ち上がるからサ。






















「自分を好きになれる努力をしろ」は有り勝ち。
ここで大石は敢えて「好きな自分作り」をサジェスチョン。
好きだー好きだー大石が好きだー。(自分じゃねぇのか)

そうだよ転んだら立ち上がればいい。
諦めたらそこで試合終了ですよ。
粘ったもん勝ちの勝負なら強いはずじゃん!

自分との戦いに負けない…ってことで。
ファイトだ自分!ありがとう大石!!
だけどゴメン、私、言われなくても自分好きすぎて困ってんだ!笑


2005/11/23