* それは新学期初日の *
9月1日。
新しい月になって、今日から学校だ。
昨晩遅く…というか、今朝早くまで宿題をやっていたオレは、
目を擦りながら教室に入った。
久しぶりー、とか声を交わしながら自席に向かう。
と、そのときオレに駆け寄ってきた女子が。
だ。
普段はあんまり話さないタイプだけどな。
「久しぶりー。きれいに焼けたねぇ」
「あー、毎日テニス三昧だったからな」
オレは自分の腕を見ながらそう言った。
確かに、この夏休みの間で肌は小麦色になった。
隠れていた部分は真っ白なんだろうけど。
着替えのときに内村に「軟弱」とバカにされたんだよ。
深司よりはマシだ!!って言い返したら、
だけど、アイツのは「美肌」なんだとか…なんだよそれ…。
「宿題終わったー?」
「あー…うん。多分。全部やったはず…」
昨日の夜、明け方までやり続けてたなんて、
カッコがつかないから言わないってか言えない…。
私もだよー。最後の方大変だったけど!
とが答えたところで話題が詰まった。
ダメなんだなー、オレ。
気の合う奴とはリズムに乗って喋りまくれるけど、
女子とか、特にみたいなタイプとは、
緊張しちゃって話しにくいっていうか…。
だけど、向こうは更に緊張した表情で、
は「神尾くんっ」とオレの名を呼んできた。
「あ、あのさ」
「ん?」
「もう過ぎちゃったけど、夏休みの間だったから…」
プレゼントっ。
そういうと、は小さな包みを差し出してきた。
「オレに?」
「うん」
「…マジで?」
「やっぱ迷惑…だったかな」
はそれを背中の後ろに隠そうとした。
だけどオレは咄嗟にその腕を掴んだ。
「!」
「嘘です!要ります!欲しいです!」
オレがそう叫ぶと、驚いた顔だったは微笑して
「そんなに期待するものでもないんだけどね」
といってもう一度差し出してきた。
それを受け取って、まじまじと見つめてしまった。
きれいな模様の包装紙に、手のこったラッピング。
女子って凄いよなぁ、こういうところ。
「っていうか…どうして?」
「だって、この前誕生日だったでしょ?」
「知ってたのか?」
「……うん」
そこで一瞬、会話は止まって。
「それじゃあね!」
「あ、ああ」
は、ひらりと手を振るとたたっと走って行った。
残されたオレは、そこに立ち尽くして小包を見る。
夏休みが誕生日って、好きじゃなかったんだよなぁ。
だって、みんな祝い忘れるし。
こんなものを貰うのは始めてで、オレはとても嬉しかった。
神尾って、からかわれるけどモテねーべ、と思って。(笑)
だけど大人しい子が積極的になってアタックしてきたり。
オイオイお前も頑張れよ神尾!(汗)
私が神尾夢で♀主人公が少ないのは、
どうしても杏の存在が意識の端にちらついてしまうからだと…。
だって、将来的に上手くいかないもんこの子!かわいそう!!
(あくまで神尾は杏にゾッコンなのは譲れないらしい)
まあ、ちょっと揺らいだりしたのは本当らしいよ。
ラストはストレートに。作文調で。
アイツは中学2年生。国語の成績は3!(←捏造)
2005/09/01