* 夢と愛作り *
「夢に向かって励んでる人ってカッコイイ」
ぽつりと呟いた。
向こうがこっちを見てるの知ってる。
だから敢えてそっちを見ない。
「どうしてまた、突然?」
「ん、なんか、いいなって」
視線が外れた気がした。
確認するためにそっちを見た。
ビンゴ。
そのままずっと横顔を見てた。
…あ、ぶつかった。
目と目を合わせて、数秒間沈黙。
顰め面して訊かれる。
「何かあっただろ」
「だから何もないって」
本当に、なんとなくなんだもん。
ただ、なんとなく、思っただけだもん。
ぼさっと体を後ろに放り投げた。
「めんどくさいよね、進路とか」
「漸く本音か?」
「さっきから本当のことしか言ってないって」
事実は、嘘を交えていてこそ、事実。
正面に来た顔を見てそう思う。
「あーあ。将来何になるんだろ」
ていうか、どうなるんだろ。
成績は優秀。
運動神経も悪くない。
生徒会だってやってる。
内申点ばっちりですよ。
だけど昔から何事もそつなくこなせてしまったせいか。
幅が広すぎて、何を頑張ればいいのかわからない。
あれもできるこれもできる。
だけどやりたいのはどれって聞かれるとわからない。
だから、夢を追うことが出来る人っていうのは、凄いと思う。
「一心不乱に頑張るとか…出来ないし」
いつもいつも、節度ある行動ばかり心掛けて。
そうやって教えられてきたから。
羽目を外すことを、恐れて。
頑張っても、成功しなかったら。
いくら努力しても、実らないことがあるのなら。
がむしゃらさなんて、どこかに無くしてしまった。
「いいんだよ、それで」
「ウソつけ」
「俺も将来の夢なんて考えてないし」
「何そのとてつもない自分中心の発言」
「え?」
「何でも自分が正しいと思ってるでしょ」
「そういうわけじゃないけど」
「認めない辺りがそうなんだって」
溜息。
疲れた。
難しいこと考えるのは苦手っていうか嫌いだって。
「頑張りすぎちゃうのも、問題あるんだぞ」
「じゃあその言葉、そのまま返すから」
「お、言ったな?」
上と、下。
私たちは笑みを交わす。
「夢、叶えようね」
「モチロン」
一心不乱でなくていい。
がむしゃらさなんて必要ない。
夢がそこにある限り。
何これ微ダーク?
裏の意味ばっか持たせてたらこんなことに…。
ていうか実は微エロなんだけど気付かないぐらい微々だった。
(そうじゃなきゃ表になんて持ってきませんって)
将来のこととか考えてみたくなるお年頃。
やりたいことが多すぎて困ります。
だけど一つに絞るの難しいです。
去年とは違う状態ですが、一歩一歩目標に近付いてますって。
今日で大石BDまであと100日。
この100題もどこまでいくんでしょね。
2005/01/20