* 下剋上、上等! *












「やーっと追いついてきたか!」


ちょっとだけ息が白い冬。
待ち合わせの時刻ぎりぎりに飛び込んでくるなり
声を張り上げる私を、若は睨んだ。

「お前の方が遅か…」
「ちーがーうっ!そんなこと言ってない」

じゃあ何が言いたいんだ、
とでも言いたげな表情で、でも口を噤んでる。
そんな若に向けて、私は右手を伸ばす。

その手には、手提げの紙袋を掴んで。


「お誕生日おめでとっ!」


若は、ちょっと驚いた様子。
一瞬だけ目を大きく広げて、でもすぐに普通に戻した。
特別口元を綻ばすでもなく、
といって強張っているわけでもなく。

それを受け取ると、小さな声で「サンキュー」と言った。

「これで14歳!私と一緒」

こっちの方が半年も先だけどね〜、
と言ってみせると、若は眉を吊り上げた。

「…下剋上してやる」
「え、何?聞こえませーん!」

わざとらしく言うと、
おでこにグーをこつんと当てられた。

なんちゃってね。
聞こえてるよ。


待ってるからね、君が上り詰めてくることを。

だから早くのし上がってきて、私のことを追い詰めて。



 今日はそのためのお祝い。

 お誕生日 おめでとう。
























バースデーボーイのピヨ氏を。(誰)
日吉ってよく分からん。
似非くさくてごめんなさい…。

幼馴染なのかこれは?誰なのか?
恋人でも別に構わないよ。待ち合わせとかするんだったら。
そんな投げやりな設定。(最悪)

ぶっちゃけ、下剋上って言葉を使いたかっただけです。(ぁ


2004/12/05