* 夏休み前借り日記 *












「もう夏休みも終わりだぜ?」


横に立っていた内村がそう呟いた。

独り言ってわけでも無さそうだけど、
周りにはオレ以外に人はいない。

そうか、オレに話し掛けているのか。

「宿題、やったか?」
「半分ぐらい」
「お前って真面目だよなー」

訊かれたとおりに正直に答えたら、
内村は腕を頭の後ろに組んで吐き捨てるように言った。

冷静に考えれば、夏休み残すところあと3日となって、
半分しか終わっていないなんて不真面目もいいところ。
だけど、集まっているメンバーによっては、
宿題をやっているというだけで表彰もんだ。

石田や森は真面目にやってそうだな。
アキラは、頑張ってる割に要領悪くて
結局まだ全然終わって無さそうだ。
それで、深司に縋るんだ。去年はそうだった。

内村は…真面目にやらない部類に即すわけ、か。

「つまりお前はやってない、だろ?」
「いや。7月中に全部終わらせた」

……。
内村って、よくわかんねぇ。

「お前の方が真面目じゃねぇか…」
「8月1日、快晴、今日は部活があった」
「?」

オレの言葉に対して、突然内村は
台本を読むような口調になった。

「8月2日、曇、蒸し暑かったので家でダラダラしてた」
「…?」
「8月3日、晴、部活は午前中だけだった。疲れた」
「な、なんの話だ、一体」

突然並べられる日にちと、出来事。
それが一体何を意味しているのか。

内村はこっちを見ると、言う。

「ついでに、8月29日は雨で部活が中止」
「…は?何言ってるんだよお前」

俺は空を見上げた。
本日8月29日、快晴。
これからテニス部の活動を開始しようというところである。

オレの疑問に対して、内村はにっと笑って言った。

「…になってるはずなんだ。しまったなー」
「あっ!お前、もしかして…!」

7月中に全部宿題終わらせた。
並べられた日付と出来事。
そして、なっているはずだった、という言葉。
つまり…。


「7月中に日記も全部書きやがったな!?」

「当たりー」


飄々とした顔で言った。
全く、コイツは…。

「桜井、そういうお前は毎日ちゃんと日記書いてんのか?」
「…7月中ぐらいしか書いてねぇ」

そういうと、内村はまたにっと笑った。

「じゃあ、部活終わったらうち来いよ。写させてやるから」
「マジ?ラッキー!」

浮かれているオレだった、けど。

「…って、お前のに写したらオレも嘘書くことになるじゃねぇか!」
「いいんだよ!二人以上居ればそれが事実だと言い張れる」

ついでにアキラも仲間に入れておくか、
絶対アイツも日記書いてねー。
深司も嘘くさいこと並べてそうだなー…。

内村は色々と考察していた。
一通り終えると、こっちを向いて。


「とりあえず、部活と行こうぜ」
「だな」


オレたちはカンカンと照る太陽の下、
雨で中止になっているはずの部活へ飛び出した。


もうすぐ、夏も、終わり。






















今日と明日は内桜真ん中BDだった気がするので。
不動峰による夏休みももうすぐ終わりだよSP☆
(もうわけがわからないよ)

桜井君も内村もわかんねぇ。捏造。
だけど、絶対そんな感じだって!
人を填めるのとか好きそうだし得意そう。京ちゃん…。

しかし…内桜、いい!(気に入った)
だけどカプじゃないのよ。コンビで。
&で繋ぐのが丁度イ↑イ↑!(9232)
桜井君と繋いでBLにするのは私の中ではムズイ。


2004/08/29