* プライド一人相撲 *












「今日誕生日?」
「うん」

「…マジ?」
「何よ、文句あるの」


別にねぇけど。
そう言いつつ体を起こした

だけど、自分が文句有りげな顔をしていたことも分かっていた。


「あるなら言ってよ」
「……」


相手にもそれは伝わっていたみたいで、
服の裾を引っ張られた。
それを振り払いながら、更に眉間の皺が深まった気がした。

なんでもねぇ、と揉み消すことも出来たけれど、
隠し事をするとすぐにバレる上に相手まで不機嫌になるのでやめた。


「…オレは明々後日なんだけどよ」
「うん、知ってる」


女子っていうのは、どうしてこうも情報に詳しいんだ。

向こうは知ってるのに、こっちは知らないっていうのが余計に悔しかった。
さっきより尚更に眉を潜めた。


「…オレの方が年下じゃねぇか」


どうでもいいことだとは分かっていた。
だけど、妙なほどにそれが嫌だった。

プライド、ってやつかも知れねぇ。

そうしたら、オレの前できょとんとしていたそいつは
…思いっきり笑いやがった。


「なーに、そんなこと気にしてたの?」
「ウルセェ!オレにしてみれば重要なんだよ…」


たった数日じゃないの、と言われた。
その数日が大きいんだけど…。


「どうせなら同じ日が良かったのに」


ね?と笑顔を向けてくる。
かもな、と返すしかなかった。


 余分な一人相撲。

 つまらないプライドは必要ない。

 しかし、消し去ってしまおうと思うほど

 何故だか気になってしまうもの。



  恋愛している限り、人はいつまでもそうなんだ。






















桜井君っていつでも眉間に皺寄せてる印象。
手塚並。(←失礼)(どっちに…?/まあまあ)

お互いをどう呼ばせればいいんだか…。
普通だったら橘と桜井君なんだろうけど、
一応これ、恋人設定でしょ?(訊くな)
必死に二人称避けてみた。(コラ)

普通ーにあってもおかしくないよね。
だって、同じ学校の女子男子でしょ?
男同士ばっか見てるから気付かないけど。(爆死)

(杏が6/28生まれの頃に書いた作品だなぁ…)(2021/07/18記)


2004/06/26