* 目覚めた日常夢の中 *












朝、目が覚めて。

カーテンの外を見たら、
薄く雲が張った空は明るくなっていた。


これで快晴だったら最高なのになぁ。


そんなことをぼーっと考えながら
タンスの引出しを開けた。


今日はどんな服を着ようか。

ちょっと考えてみたけど
特別可愛いのを持ってるわけでもないし。

結局いつもと同じ格好。


別に、いいじゃんね。

着飾らなくたって、あるがままで…さ!



特別な日、だけど。

そこまで意識する必要は、ないよね?




とはいえやはり。

それでも敢えて平常心で、私は登校する。

そうして、学校に辿り着いた瞬間。


おめでとぉ!」

「わっ、ありがとー」


扉を開けた瞬間、飛び掛られる。

あまりの勢いに驚愕。


「ごめぇん、プレゼントないや!来週までに必ず!」

「あはは。いーよいーよ。愛だけで充分さ」

「うぉー!!」


突然玄関で抱き合う私と友人。

多分、傍から見れば素晴らしく奇妙だったであろう。


他にも、吹き抜けの二階から呼ばれたりもした。



本当に。

胸一杯。



廊下を歩いていくと、沢山声が掛けられる。

それは例えば“おめでとう”だったり、

"Happy Birthday"だったり。


それぞれに篭められた色々な意味を、
必要以上に深読みして私は感動してた。

どこまでが当たってるかは分からないけど。


「はいプレゼント二人から〜」

「ありがとー!涙出そうよ本気で」


おちゃらけてそう言ったけど、
この言葉にはかなり本気が篭ってた。


沢山の思いを抱えてロッカーへ向かう。

すると。


「…あ、おはよ。ヒロト」

「おはよう」


挨拶を交わして通り過ぎようとしたら。



「おめでとう」



…知ってるんだね。


ありがと。

一言その場に残した。




大好き。

みんな。

有り難う。





学校の日常生活としては特に変化なし。


クラスはいつも通りだし。

どの先生も宿題免除なんてしてくれないし。


敢えて言えば、久しぶりに授業中に
手紙の読み書きをしたってことくらい。

読んでたらあまりに言葉が嬉しくって
思わず涙ぐみそうになったけど。
(これは授業中に読むべき物じゃないと思った)
(※どんな物に限らず授業中は宜しくないです)


重要なのは気持ちだよね!

と書かれたた友達の手紙を見て、
そういえばこの子の誕生日には
私がそんなことを書いたな、と思い出した。



そうそう。質より量より愛ですョ。ネ?





  **





学校から帰宅すると、
時間は既に7時半になっていた。

日本ではすっかり明日だな、
なんて考えなららパソコンを起動した。


誕生日だし沢山メール来てるかな、
と少し期待しながらソフトを立ち上げる。


開いてみると。


お母さんが夕ご飯を告げる。

ああ、途中で切り上げなきゃ。

だけど誰から来てるかだけチェックさせてね。


やっぱり沢山来てた。

沢山幸せ。



その中に。


ドイツ時間で12時になってすぐに来ていたメールが一通目立った。


送信者名、大石秀一郎。




時間からして、私がパソコンを閉じた少し後。

あまりの眠さに休息を取った、その直後。


全部お見通しみたいで。

嬉しくて、悔しくて、くすぐったかった。


さぁ、晩御飯の時間だ。


私はノートパソコンの蓋を閉じる。

いろいろなことを考えながら。


日本時間が6日のうちに読めなくてごめんねとか。

でもドイツ時間に合わせて送られてたからいいかなとか。

どんなこと書いてあるんだろうとか。色々。




いつもとなんら変わりはない。


365日のうちの1日でしかないのに。


篭められた気持ちと想いだけで


こんなにも特別な日に変わるなんて。







今日の夕食なんだろなっ。

考えながら、スキップ交じりに私は歩く。


明日もまた、素敵な日でありますことを祈りながら。






















昨日は稲瀬のきねん↑びでした。
今日になってからじわじわと。
そんなわけで授業中に猛烈に執筆。

明日→日本で変換宜しゅう。宜秀。(ぇ
幸せな日でしたありがとう。
簡素な一言にも気持ち有。
…大石、キャラとしては出ないけど。

題名も内容も『今ひとたび安息を』より続く。


2004/05/07