* 甘えん坊ですが。 *












4月30日から始まった電話は、1日まで続いた。

翌日が休日でよかったなぁと思う私でした。(ビバ金曜)



「ハッピーバースデー」

「ありがとう」



笑顔が見えた気がして、嬉しかった。

最後まで一緒だよ、と伝えた。


そう言葉を交わした直後。

時計の短針が、動いた。

同じ気持ちになるために7時間進めておいた、時計が。


デジタルの時計は、やだね。

アナログにしておけば良かったかな。

せめて12になってくれればいいのに。


11の次は、0になった。



「さようなら。また来年…」



自分で呟いて、哀しくなった。




「…ふっ…!ふえぇぇ〜〜…」

「お、おい、!?」

「ありがとうございましたぁー!!!」



突然敬語で泣き叫びだす私は、相当不審だったと思う。

シュウは、私を宥めるのに随分苦労してくれた。(ごめんね…)

暫くして落ち着いてきた私は、けろっとして世間話を始めたりする。




他愛も無い会話は、4時間近く続いた。


「あわ、もう夕食の時間だ」

「じゃあ、そろそろ終わりにするか」


時計を見た。

日本はもう夜中の3時。


…こんなに付き合ってくれて有り難う。



また電話したいな…。

そう呟いた私に、シュウは。


「明日でもいつでも大丈夫だぞ」

「んー、でも明日は私がコンサートなんだ」


ほら、例の。と伝えた。

するとシュウはあっさりと。


「じゃあ、明後日でもいつでもいいから」


いつでもと言われても…。と、

戸惑った私でしたが、冷静に考えれば日本はゴールデンウィーク。


くそぅ。ずるいぞ。

まあ、沢山話せるならそれでいいや!


「それじゃあ、またね」

「ああ、またな」


そこで、通話は一度終わる。





  **





そして3日後、5月3日。

ドイツは平日、日本は祝日。

私たちはまた、電話をしている。



「シュウ、今何歳?」

「…17歳だけど」

「あたし、何歳だと思う?」

「16歳、だろ」


うん。そのと〜り。

答えてから、私はにししと笑う。


「あたしの方が一歳若いもんね〜」

「そんな、数日だけだろ」


悔しいのか呆れてるのか。

シュウの声は少し低かった気がした。


私は無意識に微笑を零して。


「…今までね、同じクラスの友達ってみんな年下だった」


ほら、5月の頭に生まれたからさ、と加える。


「勿論、4月生まれの人だっているんだろうけどさ」

「親しくなった中では初めて、とか?」

「そうそう、それなんだよね!」


一人くらい居ていいのに〜。

私は口を突き出す。


でも、今は満足だからそれでいい。



置いていかれて淋しいという感じはあまりしない。

それは、一週間しか離れていないという余裕なのだろうか。

寧ろそのわずかな期間が貴重で仕方がない。



「初めて堂々と甘えられるカンジがする」

は元々甘えん坊だろ?」

「そうでした」



てへ、と舌を出す。

向こうには見えていないんだろうけど。


だけど、伝わってるといいな、なんて。

自分では口に出さない辺りずるいかな?


だけどごめんね。

私はやっぱり甘えん坊なんだ。




「確かに、地は甘えん坊だと思う。自分で」

「うん」

「だけどね」



ああ。

もし今ここに。

この人が居たら。


どんなにいいことだろう。




「甘えるのは、シュウの前だけだもん」




こんな発言自体が甘えだね。

だけど、いいでしょ?



バカは死んでも治らない。


甘えん坊も死なない限りは治りそうにありません。




生きている限り、

私はおバカな甘えん坊ということは確かなようです。




 こんな私ですが、これからも沢山甘えさせていただきます。






















あーもう。歳!どうでもいいよ!バレろ!(ヤケ)

なんと纏まってない文章だ。
現実を追いすぎるとこうなる。
大稲は現実込みじゃなくて
夢込みな現実って感じなので仕方がない。

大石サイドも書きたいなー。
っていうか書きますのでどうぞ宜しゅう。


2004/05/02