* 好きだから怖くて嫌。 *












『前の彼氏の方が良かった』



私の悪い癖だ。









こんなこと言うと、誰もが「そうかよ」と言って。


次第に愛想つかされていく。




そして「別れよう」の言葉。





…いつものパターンだ。


他の人と比べようとしてる私が悪いのに。





なのに、人と付き合うたび、言ってしまう。


それはつまり、新しく付き合う人ほど悪い人になっていってるの?





…きっと、違う。



なのに……。










 「前の彼氏の方が良かった」











また、言ってしまう。


横に立つ人が、こっちを覗き込んできたのが分かった。




また同じパターンを辿って、


別れて、


傷付いて。




そのことは目に見えてるのに。









「前の彼氏の方が、良かったぁ…」






涙が出てきた。


これは一種の病気に違いない。





横に立つ人は、私の肩に触れて、


「そうか」


と言った。






いつものパターン。



いつものパターン。





・・・・・・?









「それは困ったな」






横に立つ人は、微笑を零して、私の肩を引いた。



バランスを失った私は、そのまま胸に転がり込むように引き付けられた。








……バカ。

この人は馬鹿だ。



だから、前の彼氏の方が良かったと思う。








――…別れる時が怖い。






















ここで終わっちゃうよ!(笑)
微悲恋というかラブラブダークというか。(何それ)

最後の2行を倒置法として使えば主人公の気持ちが分かるかと。
愛しいと思えば思うほど別れたくない。
別れたくないと思うほど怖くなる。
怖くなるとそれを嫌なことだと錯覚してしまう。
本当は好きで好きで、仕方がないってことなのにねぇ。

キャラははっきりと書いてないけど、セリフ的に大石…でしょ?


2004/02/06