からメールが届いた。


『ねぇ知ってる、?
 大石の好きな女のコのタイプってね、
 【メガネが似合うコ】なんだってw(゚o゚)wワオ!
 この前聞いちゃったんだ→。どう、初耳っしょ??
 様の情報収集力に感謝しなさいよ!〔笑〕
 んぢゃ、返事待ってるヨ! バイビンっ(^0^)/~~see you !』



「………はぁ!?!?」



パソコンの画面に向かって、
私は思い切り叫びつけていた。











  * メガネっ娘萌ぇ? *












何でがシュウの好きな子のタイプなんて知ってるの?
いや、問題はそこじゃない。

まさか私という人が居ながらメガネ掛けた子が好きになっちゃったとか!?
とりあえず違うと仮定して。


「……バレたかしら」


両手を頬に当てる私。
その手を少し上に滑らせると、
メタルのフレームに指先が触れた。


実はワタクシ、眼鏡ユーザー。






人生を振り返れば、眼鏡を始めて手に取ったのは小学2年生。

私はとにかく本を読むのが大好きで、
親に「本なんか読んでないで遊びなさい!」と怒られるような子でした。
(漫画じゃないのよ。普通の本を読んでて怒られたのよ!?)

それからかれこれ5年近く、眼鏡とお付き合いしていきますわけです。
初めの方は勉強する時だけつけていたのだけれど、
途中からは常につけていなくてはならないようになってしまった。


そう。私の悩みの一つでありますのは、目が悪いこと。


だけど、中学校に上がるとほぼ同時。
眼鏡からコンタクトへ乗り換えました!
それ以来学校へ眼鏡を掛けていったことは、ナイ。

だから中学校からの知り合いは、
私が眼鏡を掛けていることを知らない…はず。
それどころか、「って視力2.0とかあるタイプでしょ」と言われる始末。
(その辺は笑って誤魔化す。「そう見えるー?あっはっは」とか言っちゃって)


それは、シュウも同じのはず。
長年付き合っていても、眼鏡姿を見られたことは…一度もない、ハズ。



…思い上がりかしら。
付き合っているからといって、
シュウの好きなタイプ=自分と思うのは、
あまりに自惚れすぎ…?


でも、そうじゃないとしたらどういうことだ。
私じゃ役不足とでも言うのか!?


私の予想。
飽く迄も予想なのですけれど。



「…バレたな」



そう決めることにした。







への返事を書く、その前に。
私は即行でシュウにメールを打ち始めた。


とてつもなく短い、用件のみの一行メール。



『シュウ、好きな女の子はメガネ掛けてる子ってどういうこと!?』



そのまま送信。
ドイツのナローバンドに苛付いてみたり。



今日は日曜日。
こっちの昼間は、向こうの夕方。
返事は数分で返ってきた。


 送信者名  大石 秀一郎
 件名    Re: メガネっ娘〜!?


…さっき自分が送った感情的なメールに
虚しさをほとばしらせつつ、冷汗流しつつ。

メール、開封〜。




『俺たちの間に隠し事は無し、なんだよな?』




……やられた。
私はガクっと首をうな垂れるしかなかった。



そう。“隠し事は無し”。

その決まり事は、付き合い始めたその日に出来た。
破っているのは、いつも私の方ばかり。


これは一本取られたね、ポン。



メールを閉じて、返事を書こうと思ったら。


スクロールできるようになってた。
シュウにしてみれば、こんな小細工するなんて珍しい…。


ずっと続く改行。
最後の最後、スクロールバーが止まった時、数行の文が目に入った。


『だけどな、一つ取り違えがあるぞ。
 俺が好きなのは、メガネを掛けた子じゃなくて似合う子、だ。
 、メガネよく似合うと思う。今度、是非見せてほしいな。

 追伸  面白かったぞ、小学校の卒業アルバム。』




硬直。

そして、暴発。




め〜!!!!!」





だ、アイツだ!アイツしかいない!
うちの小学校から青学へ行ったのは私とだけ!
高校からまた新しく入ってきたのかは知らないけど、
普通に考えると、しかいない!

そうだ。思えばはシュウの好きなタイプを知ってる時点でおかしい!
さては二人とも…初めからグルだったな!?


「…やられた」



溜息を吐いてから、
私は2通のメールを送信した。



『これからはいつでもありのままで居ることを誓います。
 今年の夏には、全てを明かしますので許してください。 。』


『大石秀一郎君の好きな女の子のタイプを教えてくださり、
 心より有り難うございましたv   敬具』



やけに弱腰なのが一通と、
好意的と見せかけて四つ角浮かんでるのが一通。


さぁ、返事はどうくるでしょう?







メールソフトの独特の着信音が響いて。
受信トレイに入っていたのは、2通の新着メッセージ。



め。
アルバムのスペル間違ってるぞ。

シュウめ。
所詮その分際で私をからかいやがって。



大まかな内容は違うのだけれど、

最後の一行は全く同じだったことに、


実はあの二人って私のことをおちょくって遊んでるのでは…


と疑わずには居られなかったけど。





だけど、


「ありがとう」


と、呟いた。





『あ、怒ってるね?怒ってるでしょ???
 やーねぇ、別に私大石クンに卒業albam見せたりなんてしてないョ?
 とにかく、気分を落ち着かせてd(^-^)ネ! 私はさ、


『一時帰国は、7月だったか?楽しみにしてるからな。
 …本当のことをいうと、好きな子のタイプがメガネ似合う子っていうのは
 嘘なんだけどな。(ごめん、ちょっとからかってみたくて…。) 俺は






  “いつでも笑顔のが好きだから。”








思わず、画面に向かって微笑んだ。


コンタクトをはめることすらしない、
有りのままの姿の、休日の私。





 アナタは メガネが似合う女の子  好きですカ?


 ちなみに私は 笑顔が似合う子 を目指している子  デス。






















大石の好きなタイプの種明かしはこんな感じでどうですか?
ダメ?夢見すぎ?(苦笑)
もう感情を全てぶつけました。

どうして大石がアルバム見ることになったのかの
お話も書きたいなぁと……。
友人さん主人公。うっふふのふ〜♪

題名…痛い、痛いよ…!(笑)


2004/01/25