* amazing atomic atmosphere *












「うっひゃー!こんなに晴れてるのにめっちゃさみー!」


学校から出て、第一声。

思い切り腕を上に伸ばしながら英二は言った。

言葉も行動もメチャクチャで、私は笑ってしまう。


「晴れてるから寒いんでしょうが」


そうなの?と英二は首を傾げた。

授業で習ったでしょが、と私は説明する。


「雲が無いってことは、それだけ高気圧なわけで」

「ふんふん」

「その分気温は下がるわけだけど」


言葉を一度止めて、空を見上げて思い切り酸素を取り込んだ。

冷たいそれに、肺がキンとする。



「それだけ、空気が澄んでるってことだよ」



横を見ると、感心した様子の英二が居た。

へーというと、私に肩を並べて、思い切り空気を吸い込んでいた。


「ホントだ」


こっちを見て、微笑んだ。


本当に分かってるの?と訊くと、

それぐらい分かるって、と言った。



綺麗に青い、空を見た。

太陽光に光る機体。

白い筋を引いていく。


真っ直ぐな飛行機雲、暫く姿を残して、

反対側からさっぱり消えていった。




空気、今日も澄んでる。






















冬の晴れの日のキンとする寒さが好き。
朝歩いてて閃いたものです。

設定として『dizzy dazzling daisy』『shimmering shiny shadow』
『seasonal sensible sensation』から繋がってると思う。
3文字頭韻シリーズ。ばばん。


2003/11/26