* seasonal sensible sensation *












「花火といったら何の季節?」

「そんなの…夏に決まってるでしょうが」


あまりに阿保らしい質問。

私は半分けなすような感じに答えた。


でも、英二は不満げ。


「どうしてさ。別に冬に花火やったっていいじゃん」

「んー、だけど夏の風物詩っていうか…」


そこまで言って、私は固まった。


確かに風物詩。

だけどさ、そんなの誰が決めたの?

昔から花火は冬にやる習慣があったら、今頃花火は冬の風物詩だ。



「確かに、別に冬にだって花火できるじゃんね」



私がそういうと、英二はにっと笑った。


「絶対そう言ってくれると思った!」

「え、どういうこ…あー!!」

「じゃじゃーん」


嬉しそうに英二はパッケージを持ち上げた。

色々な花火がセットになっているそれ。


「夏に買ったやつが余っててさ」

「へー、凄ーい…」


感心していると、英二はライターを取り出した。


「やろ。冬の空の下、コートを着ながら花火大会〜」


私は溜息を吐いて返した。


「普通は夏の空の下に浴衣着て、でしょ。洒落になってんだかなってないんだか」

「バリバリなってんじゃん。あ、ついでに言うとスイカの変わりに肉まんね」


笑いながら、点火。

その火は、この気温の中に立つ私たちを暖めてくれているようで。

乾燥した空気の中、よく燃えた。


鮮やかな光は、残像として残って暫く消えそうにない。





冬の空の下、コートを着て、反対の手には肉まん持って。



これもある意味 風物詩。






















菊は些細なことにも疑問を感じてそう、という印象。
それは色々と考えてるからなのか、子供っぽい発想なのか。

なんで花火は夏なんだ!冬でもいいじゃん!
ということで書いてみた。
雪の中息を白くして夏祭りについて歌っていた某グループを思い出した。


2003/11/03