* What makes me happy *












「深司」


部活終了後、橘さんに声を掛けられた。

何かと思えば、こんなこと。


「今日、なんの日か覚えてるか」


今日…11月3日。

……俺の誕生日。

特に意識しているわけでもないけど、忘れているわけでもない。


「…誕生日」

「だよな」


橘さんはにっと笑った。

すると一言。



「誕生日、おめでとう」



…こう言うときは、お礼って言うものなの?

だけど、有り難う御座います、って言うのも、なんか変な気がする。

…だから言わない。


黙っていると、橘さんは苦笑した。



「嬉しくないのか?」



嬉しい……?


嬉しくないわけではないけど、

特に何も感じていないといえばそんな感じ。


また黙っていると、橘さんは微笑した。



「どうすれば、嬉しい?」



子供扱いされているような喋り口調。

でも…別に嫌じゃない。

それは、橘さんにだから?


「神尾に子供扱いされたら面白いだろうな…ふふ、フフフ…」

「どうしたんだ、お前?」


不思議そうな顔をして覗き込んでくる橘さん。

すると、笑った。



「よく分からないけど、嬉しそうだな」



…いつの間にか俺は笑っていたらしい。

理由は不純な気もするけど…ま、いいか。




「とにかく、おめでとうな」




小さく、だけど。


有り難う御座います、と呟いた。






















だから、伊武の一人称は難しいんだって!(ジタバタ)
でも、結構好きかも。慣れれば非常に楽しい。

伊武君の本命、橘伊武です。
何だかんだいって深司は橘さんが好き。
橘さんも深司のこと大好きー。
ちょっと子供扱いしちゃったり、それでも許せちゃったり。
それぐらいの信頼具合なんだーってことを主張。

深司、お誕生日おめでとう!
というわけで、深司祭様に捧げますv


2003/11/03