* 鳥ハ自由ヲ求メテ空ヲ飛ブ *
暇だ。
ここで過ごす時間は、とてつもなくゆっくり。
今頃、一時間目の授業かな。
月曜日の初めは何があったっけ。
あれ、今日ってまだ日曜日か。
なんだ、まだあれから3日しか経ってないんだ。
もう何千年もここに居るような気がする。
窓の外を見た。
とてもいい天気だった。
みんな、今頃元気にテニスでもやってるのかなー。
と思うと寂しいような愉快なような。
強いていうなら何も感じない。
ただ、それはそれという事実で。
オレはここに居る。
大石、今日も来るのかな。
期待?
不安?
希望?
敢えていうなら、憎悪。
来るなよ、もう。
来ないでよ。
「英二!」
「あ、大石っ」
明るい顔作るの、疲れるじゃんよ。
…ううん、嘘。
涙が零れそうなんだ。
嬉しさの余り。
それを押さえると、自然と微笑が浮かぶんだ。
来るな来るなと思うほど、
再度現れること心待ちにしている。
そのことに対しての、憎悪。
「昨日から、何か変わりはないか?」
「んー、特に無し」
こんな優しさに対しての。
「そっちこそ、どう?部活の方は」
「どうもこうも、大切なパートナーが居ないんじゃ話にならないよ」
「そっか」
また笑顔を作る自分に。
本当は、涙が零れそうなんだ。
愛しさの余り。
憎しみは広がるばかり。
→
2003/10/15