* adoration -passive- *












大会優勝。


打ち上げ。




でも何故か楽しむことが出来ず

客観視している自分。




仲良く楽しそうな君たちを見ると


あの時の真実は伝えなくて正解だったのかなって。



そんな気持ちになる。




伝えていたら

全てが変わって。




僕と君。

君と彼の関係も。


何もかも。




それなら幸せだったかな。







分からない。



食欲が無い。



吐き気がする。






今日は大人しくしていよう。






「不二」




「え?」







掛けられた声。

それは紛れも無く君。


盛り上がる机から離れて俯いていた僕に。




一言。







「食べるか?」








差し出されたお寿司。



鮪の赤身。





「ありがと」




本当のこというと今は

あんまり食べたくないのだけれど。



でも。


君の優しさが余りに温かくて。




お寿司を口に運ぶ僕に君は無言で。

ただ自分のものを食べ続けるだけだった。







……ありがとう。



もう一度心の中で呟いた。









あの事実は 伝えたければ伝えたいほど





伝えない方がいいと思った。

























塚×大←不二なのだと思われる。
菊大というより塚大なイメージ。

やっぱり実話なのかもしれない。空笑。


2003/10/11