* そろそろ最後 *












――平成××年7月14日 日本

ここに居るのもあと二週間足らずだ。



突然色々と振り返ってみた。

気分はまるで走馬灯。

最期になると、人は過去を振り返るというけれど。

サイゴ違いかね。


思えば、昔は私はアメリカに住んでて。

3年生の時に帰国した。

普通の公立小学校に行って、なぎと仲良くなった。

それで一緒に青学を受験した。

中1のころは変わりゆく世界についていくのに必死だった。

一番思い入れが強かったのは部活かな。

中2の頃はとにかくクラスが楽しかった。

英二と過ごした日々は、とても大切な時間。

中3になったころ、私はシュウと付き合いだして。

それからは毎日が宝物のようで。


そろそろ最後かな。


星に祈って心は安らか。

部活も引退。思い起こすことはなし。

合唱コンクールに出られないのは心残りだけど。


開き直ると、自然と気持ちは軽くなるものだ。


もうすぐ私はドイツに旅立つ。

何も知らない、異国の地へ。

寂しい反面、期待もある。


だから笑顔を作ろう。


「…よっしゃー!」


私の持ち前は常に明るい笑顔だったはず。

だから、笑顔でいよう。


最後くらいは。

例えそれが空笑いだったとしても、

笑顔を作れるようになっただけで成長だから。



そろそろ最後。





















笑顔の時ほど辛い。それに気付けないほどイッパイイッパイ。


2003/09/28