* 幸せを探そう *












――平成××年9月14日 布団の中

目が覚めた私は妙にすっきりしていた。



ここ数日魘されていた悪夢。

貴方はそこに居るのだけれど。


触れても感触がない。

何も喋ってくれない。

私は無言で涙を流す。


たった一度だけ。

貴方が発してくれた言葉。



「大丈夫か?」



……ダメだよ、なんて。

答えられるわけがないじゃない。



だけどね。

今朝見た夢。

そこに貴方は居た。


最近繰り返されて居た夢とは違う。

明るい場所だったのを覚えている。


青学のみんなが居た気がする。

私は転んでしまった。

誰も気付かないで通り過ぎてしまいそうなのに。


たった一人、貴方だけ気付いた。


急いで貴方は私に駆け寄って。

その最中に、一言だけ聞こえた言葉。



 「っ!」



……たったそれだけ、なのに。

なんだか立ち直れた気がする。


貴方が居るだけ。

名前を呼ばれるだけで。



それだけで私は幸せになれる。






















あの頃は大石夢をよく見てたぞー。


2003/09/28