* 二日遅れのバースデー *












道端。



「赤也ー!」

「ん?」


大股でふらふらと歩いてる背中を見つけて走りよる。

これからきっと部活に出かけるところなんだろう。


「あのさ、お誕生日おめでとう御座いました!」

「二日遅れ」

「あてっ。だから過去形なんだって」


こつんとチョップを食らった頭を撫でながら答える。

笑って誤魔化そうとすると、赤也は溜息を吐いた。


「全く、愛が無いよな」

「だから元々ないって」

「冷たいなぁ」


赤也は苦笑いをした。

…あの話は、本気だったのだろうか。


2ヶ月前。

私は赤也に告白された。

好きだよー、みたいに軽く。

だから、私も、と返したのだけれど。

それ以来、「愛を誓い合った仲じゃんか」みたいに言われる。

まあ、それ自体がギャグなんだろうけど。


「大体、私たちは幼馴染ってだけで他に関わり無いし」

「その幼馴染ってのが大きいんだって」

「知らない。オツムの弱い私には立海大付属なんて入れないしっ」


頭が良かったら、

もう少し勉強できたら……。

入りたかった、のかな?

いや、考えるのよそう。


「とにかく!これから部活なんでしょ。ほら行ってらっしゃい」


と、私は背中を押したのだけれど…。


「…なんか行く気なくなった」

「何それ」

「どっちにしろもう時間的に始まってるんだよね。どうせ間に合わないからいいや」

「うわっ、めちゃいい加減!」


振り返った赤也はそういって笑った。

私は最初怒った風な顔をして行かせるつもりだったのだけれど…

釣られて笑ってしまった。


「折角の誕生日だし」

「もう過ぎてるじゃん」

「いーの。後払い」


そういうと、赤也は私の肩に手を回した。

私は払おうとしたけど。

ま…誕生日だし、いっか。

なんて思ってしまうのでした。


「本当にいいの?部活」

「監督に言い訳なんていくらでも思いつくし」

「……私の所為じゃないからね」

「上等」



プレゼントは、一日中一緒に居るってことで。

それでいいでしょ?


二日遅れのバースデー。
























結局のところは両想いなんだと思います。
どちらかというと実は主→赤也だったりして
向こうは本気でギャグなだけだったりすると面白いです。鬼。
いや、両想いなんだけどね。

絶対キャラ違うと思う…。
赤也ファンの方ごめんなさーい……。
(実際、まだ赤也への理解が浅いのが伝わってくるなぁ…/2023年2月18日追記)


2003/09/27