* 輝く瞳が語る *












――平成××年4月18日 廊下際

2人で話す会話は鼓動に紛れていく。



一緒に話をしていた英二が居なくなり。

私たちの間は無言。


気まずい…何か会話を!


「えと…話の続きだけど…大石君って魚とか好きなの?」

「ああ。家にも熱帯魚を飼ってるんだ」


微笑んで大石君は話す。

おぉ、この話題はヒットだ。


「熱帯魚って、あたしグッピーぐらいしかしらないなー」

「そうなのか?エンゼルフィッシュとか、ソードテールとか…知らないか?」

「あ、聞いたことあるかもー」


あの、色が綺麗で可愛らしいやつね。

ああ、知ってる知ってる。

そうか…熱帯魚か。

私の範囲外だったわ…。


「私も名前とか覚えたいなー」

「何百種類もいるんだけどな」

「げっ、マジ!?」

「まあ、俺もさすがに全種類は分からないさ」


大石君は笑った。

話を続ける。


「世話をするのは大変だけど…凄く楽しいよ」

「へー…」


心からそう思ってるんだな、ってのが伝わってくる。

だって、目がキラキラ光ってるもの。


「それに…見ているだけで心が落ち着くって言うのかな」

「なんか、いいね。そういうの。私も見てみたいな」

「今度見に来るか?」

「うん!行く!!」


あ。

調子に乗って余分なこと言っちゃった……。

ま、いいや。

ラッキーvってことで。


…お?

がこっちを見てきてやがる…。

目配せ反対!なんのつもりだよぅ。


視線を逸らして私は言った。


「それじゃ、今度是非誘ってね」

「ああ。お互い暇な時にな」


といっても、

私たち二人とも部活の曜日の都合で

平日は絶対無理なんですけど…。


ってことはなんだ?

休日か!?うわー!!


「(ま、社交辞令ってやつだけだったのかもしれないし)」


あんまり期待しない方がいいのかなー、と思いつつ。

さっきキラキラと瞳を輝かせながら話をしていたその姿を忘れられない。

そして、大石君をそんなにしちゃう存在を、是非確かめてみたいなって。






















恥ずかしい緑の瞳が輝く瞬間。笑。


2003/09/27