* 会いたい、夜 *












――平成××年9月5日 夜

眠るために潜った布団の中は闇。



夜が来るのが怖い。

起きていると考えてしまう。

漆黒に押しつぶされるのを恐れてしまう。


淋しさが押し寄せる。

いくら願っても、貴方に会うことは出来ないのだと。

遠くの世界の人なの。

貴方は今、遠くに住んでいるの。


そうするとね、

こう考えるようになるの。



せめて、夢で逢うことが出来たらと。



現実では無理でも構わない。

だけど、夢の中では微笑んでいてほしいと。


そう思うんだ。


瞳を閉じて。

貴方の名前を浮かべて。


だけど、もしも笑ってくれなかったら、と考えると、

夢で逢うことも、また怖い。



会いたい、けど、会いたくない、そんな夜。





















会えないことに気付いたって、きっと向こうの世界で元気です。


2003/09/26