* 冷たい部屋で *












――平成××年9月7日 正午

白塗りの壁は凭れかかるとこんなにも冷たい。



涙を流してから、3日。

学校では元気に過ごしているつもりだった自分だけれど、

空元気だと気付かれた。


いくら笑っても。

笑い話をしても。

「元気無いね」って、何回言われただろ。


頭も重いし、風邪ひいたかな。


冷たい。

寒い。

痛い。

膝を抱え込む自分。



「…吐きそう」


うわ。

本気でキた。


「……ぉえっ」


洗面所へ走った私。

しかし、胃には何も入れていないものだから

当然何も出てこない。

ただ、口の中が酸っぱくなった。


全身の力が抜けて、私はその場にしゃがみ込んだ。


身体的にめいってると、精神的にも弱くなる。

ということはその逆も叱り。


身体が状態がこんな時だから、

強く居なきゃいけないのに。


でも、私の精神力なんてそんなもの。



「………シュウ」



無意識呟いた名前は、

奥からの涙を呼んだ。





















あの歌はあの事件を思い出すからイヤ。でも好きな歌。大切な歌。


2003/09/26