* 夢を集めよう *












――平成××年6月20日 青空

真面目な話をしながら歩く道は、色々と考えさせられる。



「…どうして人間って生きてるんだろ」

「どうしたんだ、突然」


さっきから突飛な発言増えてるぞ、とシュウは言った。

何しろ得意分野ですから、と心の中で答える私。


「だってさ、いつか死ぬのに、なんで生きてるんだろ…」


確かに、生きていれば楽しいことは沢山ある。

何も生きていない世界なんて寂しいし。


でも、生まれてこなければ寂しいなんていう感情もない。


「…俺は、こう思うんだ」

「どう?」


訊くと、シュウは空を見上げながら言った。



「その理由を突き止めるために人間は生きてるんだって」



…やけに心に響いた言葉だ。

シュウの言葉の一つ一つは、

よく私の心を揺する。


「だけど、理由を突き止めるのはきっと無理なんだ」

「つまり…」

「いつまでも命は続く、ってことさ」


そんな考え方も一理あるな、

と私は妙に納得してしまった。


でもね、私の考え方はこうなの。


「私はね、こう思う」

「ん?」


シュウがこっちに顔を向けたから、

私もそっちに向けた。


「今、私は幸せだから…それでいいや」


笑顔を見せた。

シュウは、そうきたか、と苦笑に近い笑顔をした。


理由を見つけるために、人間は生きる。

考える間もなく、幸せを集めて日々過ごす。

どっちが正しい生命の形かなんて分からないけど。


どちらにしろ、人は夢を集めているのだろう、と思う。






















プレゼンテーションでやりました。ほぼウケ狙いだったけどな。


2003/09/26