* あなたの体温 *












――平成×△年2月20日 夢の中

そう、これは夢の中って分かっているけれど。



なんとなく暗い視界の中。

そこに居たのはシュウだった。


シュウ?

あれ、どうして…。


結論が出る間もなく、

強く抱き締められた。


「シュ、ウ……」


名を呼んでも、返事はない。

それよりどうして、ここに居るの?


考えること暫し。

これは夢だ、という結論に出た。


普段は、夢の中では夢だと気付けない私。

だけど、初めて気付いた。

これは夢だと。


そう、夢だと分かっているのだけれど。

だけど……温かい。


「(溶け込んじゃって、いいのかな…)」


現実で会うことが出来ぬのなら、

夢の中で会えばいいと。

そういうことなのだろうか。


さっきから体制は変わったけど、

体に回されている腕は、変わらなかった。

それどころか、先ほどより強く。

そして、熱い。


こんなリアルに感じるのに、

どうして夢なのだろう。

切ない気持ちになったけど、

夢の中の私は涙を流さなかった。


とにかく今は、感じられる貴方の体温、貴方の全てを。






















なんで突然こんな夢を見たのか不思議。まあ嬉しいからいいや。笑。


2003/09/26