* 夕陽が沈んで *
――平成××年7月28日 夕食後
8時を越えても明るい世界。
ドイツは北緯が高いから、
日本に比べて日の長さの年較差が大きいらしい。
というわけで、真夏はこんなにも日が長い。
「もうすぐ9時ですぜ〜」
私が退屈し始めた頃、だんだんと地平線に近付いていった。
うちのリビングから見える視界は、広い。
壁が全てガラスになったような大きな窓。
その先には木が生い茂るが建物は皆無。
太陽を最後の最後まで見届けることが出来る。
「………」
いつの間にか、ほうと見とれていた私。
昇ってくるところは見えなかったけど、
沈むところは真正面に見える。
西に住む人は幸せ。
明日の空へ太陽を見送ることが出来るから。
…そんな歌があった気がする。
太陽さんへ。
まずは、日本で頑張ってきてください。
そうしたら、また明るい日差しを連れて
ここまで戻ってきてください。
届いてるかな。
毎日夕日が綺麗なんです。
2003/09/25