* 心理テストで *












――平成××年5月17日 未だ図書室

私はまだまだ占いの本を読み漁ってます。



心理テストの本を読み深めるうちに、

面白そうなのを見つけて私はそのページを大きく開いた。


「ねぇ、シュウの好きな食べ物って梨だったよね?」

「そうだよ」


それは、選んだ果物によってその人の性格が分かる、というもの。

私は診断ページを急いで捲ってナシの項目を探した。

読み上げる。


「“自分の欲求をコントロールしていくまじめ型”…当たってるかも」

「うん、そうかも…な」

「“慎重で、堅実第一という生き方の人”」

「………」


凄い、当たってるー!

思わずシュウなんて黙り込んでます。

私は最後の行を読んだ。


「“相手のペースに自分を合わせる控えめなところも”…だって。どう?」

「怖いくらいに当たってるよ」

「あたしもそう思った。だからシュウ、もっと積極的にいこうぜぃ!」

「決して消極的なつもりもないけどな」


そうシュウは苦笑した。

確かに、学級委員はやるし副部長もやるし、

色々と目立つことやってるんだけどね。


「だけど何故か目立たない…」


自分の調べ物に集中しているシュウに、そう呟いた。

「何か言ったか?」と訊かれたので、

「なんでもなーい」と答えた。

果たして本当に聞こえていなかったのかどうかは不明である。


ま、そんなシュウが好きなんだけどさー。

だけど、たまにはもっと感情から動いてみてよ、なんてね。


「で、そういうは?」

「………」


私はまだ指が掛かっていたそのページを開く。

そして、自分の当たった項目を読み上げる。


「“負けん気が強く喜怒哀楽が激しい。何事も積極的で真摯に取り組む”…」

「はは、そっちも当たってるな」


…なんか、悔しい。

当たりすぎ、これ。


……あっ。


「シュウ、ラスト一行、読んで」

「ん、何だ」


シュウは自分が読んでいる本を置いて私が差し出した本を手に取った。

私が指差す行を読んで、黙り込む。


読み終わったらしく顔を上げたシュウに、

私はにっと歯を見せた。


シュウは苦笑してた。



『恋愛には全身全霊をあげて打ち込む。相手は振り回され気味で大変かも』






















色々と当たってると思う。凄いなぁ。


2003/09/25