* 耳を傾けよう *












――平成××年5月18日 気温は並

公園からの帰り道に交わされる会話。



って分かりやすいよな」


突然言われた一言。


「…どのようにさ」

「例えば、嘘とかつけないだろ」


…確かに、そうかも知れない。

でもそう言われちゃうと、なんか悔しいぞ?


「そんなこたぁーない」

「本当か?」

「うん」


訊き返してくるシュウ。

私は出来るだけ表情を変えないようにして答えた。


でも……。


「…嘘だろ」

「何で分かったの!?」


シュウは凄い!

なんで分かるんだ?

表情も全く変えなかったのに…。

ひょっとして…エスパー!?


「…って、何腹抱えて笑ってんのさ!」

「いや、本当に分かりやすいなって」


珍しくケラケラと笑うシュウ。

…滅多に見れないから貴重だな、と思う半分、

悔しいで御座います。


「じゃあ、聞くけど、身長いくつだ?」

「む……151cm」

「…嘘だろ?」

「ううん、本当だよ」


肯定の言葉。

だって、本当なんだもん。

わざわざ嘘を吐くことだってないもんね。


「じゃあ体重は?」

「なっ、レディーに失礼な!」

「いいから」

「まあいいや。えっとね……35kg」


ぶっちゃけ5キロほどサバ読んでますよ、自分。

いいんだ。

乙女にそんなこと訊くシュウが悪い!


しかし……。


「…本当にそうなのか?違うだろ」

「げっ、どうしてバレた!?」


一度ならず二度までも!

シュウってやっぱりエスパー!?


……ありゃ?


「なんで笑うのさっ!」

「いや、何でもない何でもない」


何でもないんだったら、どうして笑うの……。

ま、いっか。


きっとシュウは、人の話に耳をよく傾けてるから。

だから嘘とかも見抜けるんだろな。

人の気持ちとかよく分かる人だし。きっとそうだ。


だけど私がそう言うと、

「これはにしか通用しないよ」

と言った。


私には、それの意味が分からないまま。





















後に種明かしされました…そういうことだったのか。皆さん、分かります?


2003/09/25