* 笑顔が見たい *












――平成××年5月6日 黄金週間最終日

こどもの日の振替休日の今日ですが。



私たちは、二人でシュウの部屋に居る。


「シューウっ」

「ん、どうした?」

「今日なんの日だっ!」


妙に上機嫌な私。

シュウは何も覚えが内容で、首を傾げた。


「さあ…なんの日だったかな」

「えへへ。知りたい?」


私から誘導するように問い掛けると、

向こうは素直に頷いた。


教えてないんだから、知るはずもない。

だけど今日は……。


「あたし、の誕生日でしたー!」

「え、そうだったのか!?」


驚いた表情のシュウ。

そのような反応嬉しいです。さんきゅう。


「ほらほら、彼女に優しい一言でも掛けられないのかな?」

「あ…誕生日おめでとう」

「愛が足りなーい、もう一回!」


言うと、シュウはふっと微笑を見せて。



「お誕生日おめでとう、



………。

うわー!!


「反則ですぜ秀一郎さん…」

「ん、何か言ったか?」

「いんや、何にも」


そう切り替えした私だけど。


心の中はバックバク。

だって、突然あんな笑みを見せられるとは思ってなくて。


立ち上がろうとしながらシュウは言う。


「プレゼントとか何か欲しいものあるか?もしよければこれから…」

「んーん。何もいらない。だから…」


こうしていて?


伝えると、シュウは無言で座りなおした。

気のせいかも知れないけど、

体の位置が、ちょっとだけ近くなってた気がした。


プレゼント。

敢えて言うなら、

一緒に居て。

笑顔で居て。


それつまり、笑顔を見せてと。

そういうこと。



言わなくたって、

貴方はいつも最高のプレゼントをくれる。

























クサイこと咬ましてみた。あは。


2003/09/23