* 恋人とメール *
――平成××年8月6日 夏休み
久しぶりに開いたパソコンの前の私。
文明の進化というのは、真に凄いことだと思う。
あんなに離れた島国日本から、
アジア大陸経由だか、
太平洋経由大西洋経路だか知らないけど。
一瞬にして、情報が届く。
今、向こうが、いつ、どこで、どんなことをしているか。
「おーおー。ウィルスまでどうもわざわざテンキュー」
10日ぶりにメールチェック。
たったそれだけなのに懐かしく感じるクラスメイトのメールや、
求めもしない未承諾広告まで、色々届いてた。
その中にある、貴方からのメール。
読むだけで、嬉しい。
なんだか近くに居るようで。
こんなに離れていても、メールということものは
私たちを繋ぎとめてくれているようで。
でも、温もりがない。
文字だけでは伝わらない、何かが、
これでは伝わってこないような気がするんだ。
これ以上求めるのは、
ただの我儘にしか過ぎないから言わないけれど。
それに、ね?
貴方のちょっとした言葉だけで、
私は幸せになれるから。
今はとりあえず、
ギリギリの線で繋ぎ止めてくれていることを感謝する。
つたない文面から微かな愛情を感じ取る。
2003/09/23