* あなたの姿が *
――平成××年4月11日 HR
本日は一年間の運命を決める委員会決め。
「(今年もヒラになれますようにぃ〜今年もヒラっ!!)」
解説:ヒラとはつまり平、委員会に何も入らない者のことをいう。
と偉そうに解説しながら、公用語ではなく使ってるのは私だけ。あは。
どうでもいいけど、今年も委員会入りませんよ、私!
理由?だって…
部活に行ける時間が減るし。
面倒くさいし。
っていうかそんな柄じゃないし。
自分から進んで委員会に立候補するみんなは凄い。
美化委員…保健委員。
まずはこの辺が潰されていく。
お、女子クラス委員立候補出ました!さっすがー。
かれこれ15分ほど。
「女子風紀委員と男子学級委員残ってます。誰かやる人?」
沈黙。
「それじゃあ、残っている人の中からジャンケンでいいですか?」
拍手が起こる。
よっしゃ、生き残りを賭けたバトルね…!
「まず女子から…」
「よっしゃ来い来い!」
何が来るんですか、さん。
と自分の心の中で突っ込みながら。
結果。
勝利☆
負けたのはでした。
「えー!?よりによって風紀委員!?」
「やーい!風紀委員だ!へぇーいへぇーい」
「…はいそこさん!風紀乱れてますよ!!」
「うわっ、切り替え早っ!」
クラス中から笑いが巻き起こる。
いつの間にやら私たちコンビはクラスでも有名になっているようだ。
と、それはさておき。
「では男子も…」
と、話の流れがジャンケンモードに行きかけた時。
「ほら、大石やれよ!」
「え、でも俺は…」
「だってお前、ほら、テニス部の副部長もやってるんだろ?適任じゃん」
「いや、そっちの仕事で忙しいから…」
「何言ってんだよ、手塚なんか生徒会長だぜ?」
…出た、男子特有押し付け合い。
自分がなりたくないがために誰か一人を集中攻撃する。
えげつないことすんなー、
と思いつついつも見て楽しんでる私です。
「でも、大石くんだったら任せられるよね」
「うん、確かに」
お、女子の同意も出始めました。
どうだ、大石青年?
「お前しかいねぇって大石!」
「そうだそうだ!女子にまで応援されてるぞ」
「え、あ…それじゃあ…」
やっぱり戸惑っているようだったけど。
「やります」
「そうこなくちゃな!」
立ち上がって、強くそう言い放った。
隣の男子が囃し立てる。
クラス全体から拍手が巻き起こった。
凄いな、と思った。
しゃんと立ったその姿が。
半分押し付けられているような感じにも見えたけど、
きちんと自分の意志も持っていて。
ジャンケンに勝ち残って喜んでいる自分が情けなくなった。
こうなるって分かってれば学級委員に立候補してれば良かったな、なんちゃって。
「それでは、これで今日のホームルームを終わります」
大石君が号令を掛けて、
みんな休み時間に遊びに出た。
貴方のその姿をお手本にしたいです。
2003/09/22