* 占い信じる? *












――平成××年5月17日 図書室

調べ物をするシュウの横で占いの本を持ち出す私。



「シュウって占い信じる派?」


訊くと、シュウはきょとんとした顔でこっちを見た。


「どうしたんだ、突然」

「ちょっとね。面白い本が沢山出てきたからさ」


言いながら、姓名判断の本を私は掲げる。

横には血液型占いやらオラクル関係のものからなにまで。


「で、どうなんだ結果は」

「んー、ちょっと待ってね」


診断に合わせてパラパラとページを捲る。

結果を読む。

して、固まる。


「………」

「…?」

「シュウ!!」

「ど、どうした?」


覗き込んできたシュウ。

私はガバッと顔を上げて、強く言う。


「いい!?あたしは悪い結果はすぐに忘れちゃう質なの!」

「え、つまり結果は…」

「ごめん!何も憶えてないからっっ!」

「……それって、やっぱり…」


それ以降は言うの禁止。

私は掌を前に翳してストップのサインを出した。


「まぁ、さくっと次の本に進みましょうや!」

がそれでいいならいいけど…」


半分呆れているシュウを横に、

私はページをパラパラと捲った。


「……おぉ!」

「どうした?」

「“相性がよすぎるあまりに自分を失ってしまいそう”」

「………」


これって、良い結果?悪い結果?

まあとりあえず、相性は良いらしい。


つまり良い結果だ。


「相性がよすぎて困る程だって。あはは!」

「…で、は占いは信じる派なのか?」


笑みを浮かべて訊いてくるシュウに、一言。



「もっちろん!」



悪い結果は忘れる。

だけど占い信じる私。


心の中に残るのは、嬉しい診断結果のみ。




















必死に本を読み漁ってる自分が虚しくなった。


2003/09/21